研究課題/領域番号 |
15K01425
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
友利 幸之介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (90381681)
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研究分担者 |
東 登志夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40244090)
竹林 崇 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90780510)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ADOC / ADOC for hand / 上肢麻痺 / 使用頻度 / 加速度計 / クラウド |
研究実績の概要 |
昨年開発した「麻痺手の生活での使用を促すためのアプリ」であるAid for decision-making in Occupation Choice for hand (ADOC-H)の臨床応用,ならびに加速度計を用いた上肢活動量を健常人,片麻痺患者で計測した. ADOC-Hの臨床応用では,導入当初はセラピスト主導で「頭を洗う」,「服をたたむ」などを提案し,日々一定量の麻痺手の使用を確保した.導入から3週目になると,患者自らアプリを見ながら「この場面でも(手を)使えそう」と主体的に選択していくようになった.3週間の集中訓練後,上肢機能は向上しさらに6ヶ月後でもその機能は維持されていた.このような事例を数例経験しており,今後前向きの前後比較研究などが必要である. また加速度計の計測では,より正確な麻痺手の活動量を測定する目的で,健常人を対象に,まず片側上肢のみに加速度計を設置して算出された数値と,両手に設置した加速度計の値から前胸部に設置した加速度計の値を除算した場合の数値とを比較した.その結果,後者の3点で加速度計で測定したほうがより正確な値が算出できることが明らかとなった.CI療法前後の麻痺手の使用頻度については,従来の上肢機能と加速度計の値はともに変化を認めた.特に,訓練後は両手を用いた活動において麻痺手の使用割合が向上したことが示され,今後訓練内容を考える上でも参考になるデータが得られた.今後は,健常人のデータを更に増やしていくとともに,このデータをクラウドで集積できるシステムの構築を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
加速度計による上肢機能測定は進行中だが,そのデータをクラウドで収集するシステムの構築が,IT企業との調整がうまくいかず,当初の予定より遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は,このままIT企業と打ち合わせを重ね,プロトタイプの作成,臨床データの収集まで行いたいが,場合によっては1年延長もやむ無しと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
クラウドシステム構築の作業に遅れが出たため.
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次年度使用額の使用計画 |
今年度はプロトタイプの開発,および臨床での試用まで実施する予定である.
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