研究課題/領域番号 |
15K01432
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
下田 信明 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (00275786)
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研究分担者 |
望月 秀樹 杏林大学, 保健学部, 教授 (20612576)
武田 湖太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50618733)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 手の心的回転課題 / 課題遂行方略 / 運動イメージ / 男女差 / 脳卒中 / 統合失調症 / mental rotation / motor imagery |
研究実績の概要 |
本研究では,健常高齢者,健常若年男性・女性,脳卒中患者,統合失調症患者を対象として手の心的回転課題を行い,その課題遂行方略を応答時間から検討した.対象は,健常高齢者100名(男性47名,女性53名,平均年齢75.8歳),健常若年男性15名・女性15名(平均年齢22.9歳),脳卒中患者28名(男性14名,女性14名,平均年齢62.6歳),統合失調症患者23名(男性15名,女性8名,平均年齢39.5歳)であった.手の心的回転課題では,左手・右手,手背・手掌の手写真を60度ずつ回転させたものを計96回提示し,その手写真の左右をできるだけ正確になおかつ速く判断させ,応答時間を計測した.手の心的回転課題に先立ち,左もしくは右を向いた矢印の左右判断課題を行い,応答時間を計測した.手の心的回転課題の応答時間から矢印の左右判断課題の応答時間を減算した時間を,検定に用いた.これは,心的回転に要する時間にできるだけ近似した時間を用いて比較するための方法であった. 応答時間の結果から,健常高齢者の課題遂行方略において,手掌写真の場合は運動イメ-ジ方略を取り,手背写真の場合は運動イメ-ジ方略と視覚イメ-ジ方略の両方を取ること,および課題遂行能力によって,その方略が異なることが明らかになった.健常若年男性・女性の課題遂行方略において,男性は女性に比べ,視覚イメ-ジ方略優位であることが示唆された.脳卒中患者,統合失調症患者の課題遂行方略において,運動イメ-ジ方略を取ることが明らかになった.これらの結果は,今後,脳卒中患者や統合失調症患者に対し,運動イメ-ジ訓練として手の心的回転課題を応用する際の基礎的知見となり得る.
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