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2016 年度 実施状況報告書

体幹深部筋の働きと非特異的腰痛症との因果関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K01443
研究機関神戸学院大学

研究代表者

大久保 吏司  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (80423234)

研究分担者 福元 喜啓  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (30636121)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード腰痛 / 体幹筋力 / 等速性筋力 / 前屈時痛
研究実績の概要

本年度は、健常大学生45名に対する等速性体幹筋力の測定データの分析を行った。
測定は筋力測定機器Biodex System 3の体幹アタッチメントを用いて、最大努力による体幹屈伸運動を30(deg/sec)、60(deg/sec)、120(deg/sec)の3種類の角速度にておこなってもらい、体幹筋力を測定した。その結果では、伸展運動については角速度の増加に比して有意に筋力が低下していたのに対し、屈曲運動については60(deg/sec)と120(deg/sec)の間では有意差を認めたものの、30(deg/sec)と60(deg/sec)および30(deg/sec)と120(deg/sec)の間には有意差を認めなかった。
次に、腰痛を有する者とそうでない者との体幹筋力についての比較を行ったところ、30(deg/sec)にて腰痛群の方が健常群に対して有意な低下を認めた。一方、60(deg/sec)、120(deg/sec)では両群間に有意な差を認めなかった。さらに、腰痛の症状について、前屈時に腰痛を有する者(前屈時痛)と、後屈時に腰痛を有する者(後屈時痛)とに分類し比較検討を行ってみると、前屈時痛を有する者については30(deg/sec)では健常群との間に有意な低下を認めたが、後屈時痛を有する者については、健常群よりも低下を示していたが有意差を認めるにはいたらなかった。また60(deg/sec)、120(deg/sec)では、前屈時痛、後屈時痛
これらのことから、腰痛を有する者の体幹筋力の特徴として、低速域運動での筋力に影響がみられるということ、また腰痛の中でも前屈時痛を有するものについて、より筋力低下を示す傾向にあると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、健常若年者および腰痛を有する者の体幹筋力についての特徴について調査した。その結果、体幹筋力でも、運動の速度によって傾向が異なることが示唆された。特に低速域での筋力低下が認められ、さらに前屈時痛を有する者に筋力低下が著明となることが示唆された。
しかしながら、対象者数が当初予定よりも少ないため、今後さらに分析を追加していく必要がある。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、平成28年度の研究を継続し、対象者を増やし、その成果についてまとめていく予定である。また超音波画像についての検討も行い、体幹深部筋の働きとの関係についても検討を加えていく必要があると考えている。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、27年度に購入した備品及び既存の設備により、測定作業は完遂することができた。
しかし、当初予定していた対象者を獲得するには至らず、予定していた学会での発表を行うには至らなかった。

次年度使用額の使用計画

次年度はそのため、本年度行った体幹筋力測定を継続して対象者を増やし、その成果を報告するための学会出張の予算として計画している。

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公開日: 2018-01-16  

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