研究課題/領域番号 |
15K01451
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
徳田 克己 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)
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研究分担者 |
水野 智美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歩きスマホ / 迷惑ランナー |
研究実績の概要 |
第一研究では,歩きスマホ、自転車スマホの実態を明確化し、危険性を明らかにするとともに,テレビなどで流れる啓発広告がどの程度の効果があるのかについて明らかにすることを目的にした。まず、歩きスマホ、自転車スマホの実態を把握するために観察調査を行った。調査場所は、日本ほか18の国・地域の首都および主な都市であった。どの国・地域においても、駅構内、駅のコンコース、横断歩道、階段、エスカレータ、凍結路面、ランニングコースなどにおいて、子どもから高齢者までの多くの人が歩きスマホ、自転車スマホをしていた。特に、台湾では他の国に比べて歩きスマホ者が多かった。歩きスマホの法的規制が行われているニュージャージー州フォートリーでも、アメリカの他の地域と同程度の割合であった。さらに、東京都,千葉県,大阪府内の企業(6社)の電車通勤者および同地区の大学(5校)の電車通学学生を対象とした質問紙調査を行った。会社員885名および学生550名,計1435名のデータを得た。対象者の年齢を29歳以下(青年群),30~49歳(壮年群),50歳以上(中年群)の3群に分けた。スマホを「歩きながら」操作した経験が「非常によくある」「時々ある」と答えた青年群は9割以上と非常に高い割合であり,他の群よりも統計的に有意に高かった。同様に,「自転車に乗りながら」スマホを操作することについては,壮年群(5%),中年群(4%)は少なく,青年群(35%)が他の群と比べて有意に高かった。スマホを使用しながら歩いている人にぶつかったりぶつかられそうになった経験が「非常にある」と「時々ある」と答えた者は全体の60%であった。一方、対象者自身がスマホを使用している際に、歩いている人とぶつかったりぶつかりそうになった者が約4割いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外の新しいバリアの状況について詳しく調査し、実態を明らかにすることができた。歩きスマホ、自転車スマホに関しては、大規模な質問紙調査を実施し、歩きスマホや自転車スマホが都市生活者のバリアになっている状況を詳細に確認することができた。ただし、日程の関係で、障害者用駐車スペース運用の好事例を収集することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年年度の調査結果をもとに、歩きスマホ・自転車スマホの問題及び迷惑ランナー問題を解決するための啓発プログラムを試作し、生涯教育の場及び学校・企業において啓発・授業・研修を実施し、効果を測定する。同時に、障害者駐車スペース運用の好事例について実地調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
日程の都合から、障害者用駐車スペースの運用実態に関する実地調査を予定通り行うことができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度、計画している研究(障害者用駐車スペースと歩きスマホ・自転車スマホの問題を解決するための啓発プログラムを試作し、生涯教育の場及び学校・企業において啓発・授業・研修を実施し、効果を測定する)に先立ち、障害者用駐車スペース運用の好事例を収集するための実地調査を行う。
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