• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

高齢者、障害者、幼児の移動上のバリアを解消するための啓発・教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K01451
研究機関筑波大学

研究代表者

徳田 克己  筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)

研究分担者 水野 智美  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードながらスマホ / ポケモンGO / 歩きスマホ / 啓発教育 / 迷惑ランナー
研究実績の概要

歩きスマホ・自転車スマホの実態を調査した。ながらスマホによって事故につながる使用は、「場所」に関する問題(横断歩道、プラットホーム、階段やエスカレータ等)、「状況」(バイクや自動車の運転中、キャリーケースや傘の使用等)、「属性」(小学生以下の子ども、高齢者)に分類された。また、ポケモンGOの配信によるながらスマホ状況の変化を、秋葉原駅の駅舎出入口、横断歩道、プラットホームにおいて調査した。ポケモンGOの配信により、駅舎出入口、横断歩道は1年前と比べ約3倍に増えていることが明らかになった。
これらの結果をもとに、ながらスマホ問題に関する啓発プログラムの要素を構成、試作した。具体的には①知識伝達型の講義法、②当事者の迷惑が明確にわかるような映像を使用する方法、③迷惑を受ける者が自らのメッセージを映像によって伝える方法、④迷惑を受ける者(障害者や高齢者)が直接訴える方法、⑤バリアの解消について議論を行う方法、⑥直接的な体験を行うシミュレーション法の6種類であった。
これら6種類のプログラムに用いる映像を評価するために、2つの大学の学生131名を対象に4つの映像の評価実験を行った。映像は、①歩きスマホをしていて事故に遭う実写映像(略称:交通事故)、②歩きスマホをしていて事故に遭うアニメ映像(略称:アニメ)、③歩きスマホが他者に与える害を扱った実写映像(略称:迷惑な歩きスマホ)、④歩きスマホをしている二宮金次郎が桃を拾おうとしたおばあさんにぶつかり、昔話のストーリーが変わるという実写映像(略称:ギャグ)であった。その結果「交通事故」の映像は、意図のわかりやすさ、自分が歩きスマホをやめる効果、歩きスマホの防止効果のいずれにおいても最も評価が高かった。
以上の結果をもとに、中学生向けの説諭型と被害強調型の2つの啓発教育プログラムを作成し、中学生2グループに対して実験的啓発授業を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ながらスマホ防止のための啓発教育プログラムを開発し、中学生に適用した。しかし、その結果の詳細な分析が終わっていない。実験授業を行った時期が、協力してくれた中学校の都合から2016年の12月になり、授業日から2か月後のデータ収集を行ったのが年度末になってしまった。
点字ブロックに関する認識の実態と啓発教育に関する調査は終了しているが、啓発教育プログラムは試作段階にとどまっている。点字ブロックの上にバリアになる物を放置しないことを認識してもらう障害理解教育のプログラム案を協力校の都合から実施できていないので、試作段階にとどまっている。
障害者用駐車スペースに関する基礎的な調査が完遂していない。その理由は、障害者差別禁止法の施行などの社会的な変化があるために、障害のあるドライバーのニーズをまとめ切れていない。

今後の研究の推進方策

ながらスマホ防止のための啓発教育プログラムの中学生への適用結果の詳細な分析をもとにして修正プログラムを作成し、再度、中学生に適用する。
点字ブロックに関しては、試作している啓発教育プログラム(障害理解教育プログラム)を学生あるいは社会人に適用し、評価する。
障害者用駐車スペースに関する基礎的な調査が完遂していないので、車いすドライバーを対象にしたヒアリング調査を2017年8月までに終了し、その調査結果を総合して、啓発プログラムを試作、ドライバーに対して実験的研修を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

予定していた、ながらスマホ防止のための啓発教育プログラムの適用実験が、協力校の都合によって1回しかできず、プログラム修正のための実験授業が実施できなかった。
また、車いす使用者及び視覚障害者に対する点字ブロックと障害者用駐車スペースに関するヒアリング調査が、対象者の都合により、すべてを実施できなかった。

次年度使用額の使用計画

ながらスマホ防止のための啓発教育プログラム修正のための実験授業を行う。そのための旅費と実験補助の人件費が必要になる。
また、車いす使用者及び視覚障害者に対する点字ブロックと障害者用駐車スペースに関するヒアリング調査を予定の数が満たされるまで実施する。それに関する交通費や消耗品費を支出する。
さらに、実験授業の結果、ヒアリング調査の結果などの全体のデータ入力と分析のために短期雇用アルバイトを雇う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The Curent Situation of "Using  a Smartphone while Doing Something Else" and Related Factors2016

    • 著者名/発表者名
      MIZUMO Tomomi, TOKUDA Katsumi, Hong-joong CHO
    • 雑誌名

      Journal of Digital Convergence

      巻: 14(12) ページ: 561,569

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Characteristics of Ground surface Indicators in Middle East and North Africa2016

    • 著者名/発表者名
      TOKUDA Katsumi, MIZUNO Tomomi
    • 雑誌名

      The Asian Journal of Disable Sociology

      巻: 15 ページ: 25,36

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Effectiveness of Awareness Education to prevent Texting While Walking - By comparing informative, threatening, and discussion2016

    • 著者名/発表者名
      .MIZUNO Tomomi,TOKUDA Katsumi
    • 雑誌名

      International Journal of Applied Engineering Research

      巻: 10(90) ページ: 25,27

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Problems of Tactile Walking Surface Indicators Installed on the Platform of Ra ilway Stations in the World1 -Problems of warning blocks installation-2017

    • 著者名/発表者名
      TOKUDA Katsumi, MIZUNO Tomomi,NISHIDATE Arisa
    • 学会等名
      The 18th Asian Society of Disable Sociology
    • 発表場所
      済州オリエンタルホテル(韓国済州市)
    • 年月日
      2017-05-30
    • 国際学会
  • [学会発表] 交通弱者の安全な移動を阻害する新しいバリア22016

    • 著者名/発表者名
      徳田克己,水野智美,西館有沙,西村実穂
    • 学会等名
      第75回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      グランフロント大阪(大阪府大阪市)
    • 年月日
      2016-10-26 – 2016-10-28

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi