研究課題/領域番号 |
15K01454
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
和田 正義 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80406537)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 福祉・介護用ロボット / 車いす / 電動化システム / アクティブキャスタ |
研究実績の概要 |
段差を昇降する際の車輪駆動や駆動輪位置などの変更を行う、車輪段差昇降アルゴリズムの半自動化を行った。段差の高さや段差と車いすの距離をレーザレンジセンサを用いて自動的に計測し、段差へのアプローチや、車いすと段差の相対的位置関係、および車いすの姿勢などを実時間で認識し、各段差昇降動作における動作を制御するシステムを開発した。 具体的には段差に対する動作の開始タイミングやアクチュエータの動作順序、あるいは駆動輪の車輪と操舵の速度比とあわせて駆動輪と車いすの相対位置を制御するアクチュエータの協調制御を自動化した。この目的を実現するためにPC上で稼働する制御プログラムを構築し、車いす利用者が画面上のボタンにより行いたい動作の選択と開始を指示するのみで、段差の昇降動作を実現した。これにより操作者の負担軽減を行い、確実な段差昇降動作を行うシステムを実現した。各動作順序を以下に説明する。 段差登り動作:段差下にて、段差高さとそこまでの距離を計測し、段差まで接近する。次に、前輪を段差高さまで浮上させる静的ウィリーを行い、段差上に前輪を乗せる。その後、駆動輪を下降させることで車いすの大車輪を持ち上げる。この際に大車輪と段差角の接触を確保する。最後に段差上にて再び静的ウィリー状態となり、大車輪にブレーキを作動させたのちに駆動輪を段差側壁に押し当てながら、段差上に上げる。 段差降り動作:段差上にて、段差高さとそこまでの距離を計測し、段差まで接近する。次に前輪を浮上させる静的ウィリーを行い、段差角に大車輪がくるまで車いすを移動乗せる。ここで大車輪のブレーキを弱めに作動させ、大車輪をゆっくり回転させながら、大車輪を段差下まで降下させる。その後、前輪を床面に設置させ、車いす全体を推進しながら駆動輪の段差降下を行い、段差降下動作を完了する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
段差を昇降する際の車輪駆動や駆動輪位置などの変更を行う、車輪段差昇降アルゴリズムの半自動化を行った。段差の高さや段差と車いすの距離をレーザレンジセンサを用いて自動的に計測し、段差へのアプローチや、車いすと段差の相対的位置関係、および車いすの姿勢などを実時間で認識し、各段差昇降動作における動作を制御するシステムを開発した。 具体的には段差に対する動作の開始タイミングやアクチュエータの動作順序、あるいは駆動輪の車輪と操舵の速度比とあわせて駆動輪と車いすの相対位置を制御するアクチュエータの協調制御を自動化した。この目的を実現するためにPC上で稼働する制御プログラムを構築し、車いす利用者が画面上のボタンにより行いたい動作の選択と開始を指示するのみで、段差の昇降動作を実現した。これにより操作者の負担軽減を行い、確実な段差昇降動作を行うシステムを実現した。
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今後の研究の推進方策 |
車いす推進のための駆動ユニットの性能、および段差昇降動作のための駆動ユニットの機構条件およびそのアルゴリズムを試作機で確認することができた。今後は折りたたみができ、簡易電動車いすとして扱うことが可能な取り付け構造について検討を行う。
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