研究課題/領域番号 |
15K01455
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野本 愼一 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (00172825)
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研究分担者 |
内海 桃絵 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40585973)
笹山 哲 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90215749)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 在宅医療情報共有システム / 特定施設での在宅医療 / 療養者日報作成機能 / 医療職と非医療職の連携機能 / サービス付高齢者住宅での在宅医療 |
研究実績の概要 |
「サービス付き高齢者住宅」や「指定特定施設」の勤務者は非医療職のみのため、療養者の医療介護の問題については、医師をはじめ医療職との連携に困難を抱えている。そこで非医療職しか勤務していない施設のスタッフと外部の医療職の間で、施設内療養者の日々の情報を共有するため、「施設ケアサポ」(旧版を施設ケアサポ1.0と称す)と称する多職種連携情報共有システムを開発し、グループホーム等で実証実験を行った。 その結果、「施設ケアサポ1.0」を使用した場合、制度上日報を作成する必要がある施設では、その日報作成用と多職種連携のため外部との情報共有用に二重に記録を行う必要があり、普及には限界があることが判明した。そこで「施設ケアサポ1.0」に導入していた入居者のバイタルサイン記録に加え、「服薬状況、食事量、水分摂取量、排泄量等、入浴状況、介護」等の日報の項目を記録できる機能を加え、従来の施設での生活記録入力デバイスとしてのみならず、写真を含め体調記録を外部へ通信する機能や入居者日報作成機能を追加した「施設ケアサポ2.0」を2017年度に作成した。「施設ケアサポ」を使用していた同施設で引き続いて実証実験を行い、利用者にインタビュー調査を行った。 その結果、施設の管理者からは「医師とリアルタイムで繋がっていることによる安心感が得られ、その関係性を療養者とその家族にアピールできる」あるいは「日報作成の省力化が図られた」という意見が得られた。また、問題点として、その経費を誰が負担するかという意見があった。また、医師からは「写真・動画機能は有用であるが、データから病状の悪化などの兆候を見抜くのは困難である」との意見が得られた。 本研究成果を持続可能な実用化実現のためには、本システムの採算性等に付いてマーケッティングリサーチが必要と考える。
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