研究課題/領域番号 |
15K01456
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野田 和恵 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50208352)
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研究分担者 |
種村 留美 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00324690)
長尾 徹 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80273796)
相良 二朗 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (10330490)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢者 / ごみの問題 / 分別 / テクノロジー / 支援システム / 重度障害者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,認知症高齢者のごみ問題解決方法を検討するために,テクノロジー支援機器を利用したサービスを開発して生活支援を行うことである.これにより在宅での生活を延長させ,生活の質の向上維持を保つことが狙いである. 3年目の本年度は、前年度行ったテクノロジーを利用したごみ分別支援機器の試用実験の結果を分析した。 ごみ分別支援システムの利用者として,在宅の健常高齢者を対象に募集し,応募のあった3名に,2週間の試用を依頼した.居住形態が独居2名(男性1名,女性1名),高齢者二人世帯1名(女性)で,平均年齢86歳であった.22の質問が投稿され,質問のあったごみの分類は,燃えるごみが52.6%と半数を占め,容器包装プラスチックが26.3%,缶ビンペットボトルは5.3%であった.これら3種類以外の質問は15.8%.利用者2名からの質問頻度は3.4回/週であった.質問の時刻は,最も早いものが6時51分,最も遅いものは20時19分で、中央値は14時19分(四分位偏差2時間59分)であった.一方、ごみ分別支援システムの回答協力者として,障害者を対象に募集し,応募のあった4名に依頼した.兵庫県居住者3名,長野県居住者1名で,いずれも男性(平均年齢41.5才)である.高位頚髄損傷2名,難病2名で,3名は日常生活のほとんどに介助が必要であったが,全員がICTツールを日常多用していた.投稿から回答までの所要時間は,中央値14.5分 (四分位偏差16.5分)であった.深夜や早朝にも投稿の可能性があるため,回答の遅延も危惧されたが,現利用高齢者では,問題は起こっていない.正答率は,91%(20問/22問)であった.利用者の本システムに対する福祉用具満足度評価(QUEST第2版)は,3.43であった. これらより、ごみ問題へのテクノロジーを利用した支援機器は効果がある可能性が示唆された。
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