研究課題/領域番号 |
15K01457
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山本 美輪 鳥取大学, 医学部, 教授 (70353034)
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研究分担者 |
櫻庭 繁 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (20114283)
中島 智晴 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20326276)
前川 泰子 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (60353033)
松井 幸子 藍野大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90610220)
三好 陽子 鳥取大学, 医学部, 助教 (80746967)
吉村 純子 鳥取大学, 医学部, 助教 (10757694)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | iNPH認知症 / ケア / シリアスゲーム / 教育教材 / 開発 |
研究実績の概要 |
1.シミュレーションを用いた認知症ケアゲームの修正:平成27年度、認知症全体の約半分を占めるアルツハイマー型認知症のシリアスゲームを開発しN病院の医療従事者88人(有効回答)に行ってもらった。評価は、シリアスゲーム前後にアンケートを行ってもらい、認知症高齢者への態度尺度点数を用いてt検定にてゲームを行うことでの認知症高齢者への態度の変化を検討した。その結果、N病院の医療従事者の認知症高齢者への態度尺度平均点は、ネガティブ項目において有意に減少し、ポジティブ項目において有意に増加した。これより、シリアスゲームを用いた認知症ケア教育は、医療従事者の認知症高齢者への態度を変化させることが示唆された。またフリーアンサーよりアルツハイマー型認知症ケアゲームや教員への具体的なご意見を頂いた。それらを参考にシミュレーションを用いたアルツハイマー型認知症のシリアスゲームを修正し、関西圏にある看護系大学4回生約5名に行ってもらいさらに内容の検討を行っている。2.iNPH認知症の認知度に関するアンケート調査の分析・検討: 平成27年度、iNPH認知症の認知度に関するアンケートを鳥取県米子市にある高齢者専門施設スタッフ200人に独自で作成したアンケート調査を行い、平成28年度はその分析・考察をすすめた。前年度の調査よりiNPH型認知症の認知度はアルツハイマー型、脳血管性型、レビー小体型、前頭側頭型に比して、最も認知度が低いことが明らかとなった。またiNPH型認知症の症状に関する知識も低いことが明らかとなったことより、iNPH型認知症シリアスゲームのシナリオには、iNPH型認知症の疾患からの基礎的な医学的知識から詳細な症状とそのケアの内容を含める必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27~28年度の2年間で、iNPH型認知症に関する認知度を明らかにすることでiNPH型認知症ケアに関するシリアスゲームのシナリオの内容について示唆を得ることができた。また教育媒体となるシリアスゲームも開発することができ、その方法論の検討を行え、修正検討を重ねている。
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今後の研究の推進方策 |
iNPH型認知症シリアスゲームのシナリオを作成中である。今後、ゲームの内容を認知症上級専門士と内容検討を行い、シリアスゲームとして開発していく。また教育媒体であるシリアスゲームの方法論の検討も基礎看護学を専門とし、すでにシリアスゲームを看護教育に取り入れている実施している共同研究者と評価や導入、運営の検討を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画は順調に進捗し、国際学会等で発表している。平成29年度が最終年度となるため、国際学会で発表している内容をより深めて学術論文にするため予算を繰り越し執行する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
iNPH型認知症ケアのシリアスゲームを開発するためプログラムの業者への委託費や、 国際学会での発表業績を学術論文として作成していくために使用計画している( Miwa Yamamoto etal.,An educational program for nurses and caregivers incorporating a serious game to simulate care processes for elderly individuals with Alzheimer’s disease in Japan,International Psychogeriatric Association,International Congress,p21,Final program book,Sanfrancisco,Califonia,USA,Sep6-9,2016.
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