研究課題/領域番号 |
15K01467
|
研究機関 | 前橋工科大学 |
研究代表者 |
向井 伸治 前橋工科大学, 工学部, 教授 (50135109)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 歩行分析 / リハビリテーション / 多機能センサ / 携帯情報端末 |
研究実績の概要 |
本研究は、モバイル端末と小型多機能センサを用いて歩行リハビリを行っている患者の歩行状態を計測し、分析評価の結果を分かりやすく表示できるシステムを構築することを目的としている。昨年度の研究に引き続き、歩行データの計測採取と分析を行った。 歩行計測では、健常な高齢者とリハビリ患者を対象に、センサデータからの基本パラメータの算出方法と歩行状態の評価指標の算出方法を検討するため、歩行データの継続的な取得を行った。腰部と両足踝上部に装着したセンサデータ(加速度と角速度データ)の取得と同期してビデオカメラで動画像データを記録した。歩行フェーズの切り出しは、両足踝上部から得られる角速度データを用いた。片麻痺のリハビリ被験者に対しては、足の接地や離地の検出においてこのデータの利用が有効であった。 計測データから基本パラメータを算出するとともに、それらを複合的に用いて規則性や対称性、円滑性や安定性を評価できる指標について検討した。リハビリ経過における評価指標値の比較分析を行い、回復の程度を数値的に表現する方法を考察した。これらの方法に基づき算出プログラムの見直しや改良を行った。さらに、分析内容と結果について、情報端末のエミュレータを使って文字や図情報として被験者や関係者の端末ユーザが理解しやすい提示方法を検討した。腰部装着のセンサデータを用いた解析、特に距離パラメータの計算や体幹動揺の数値化などによる評価指標の作成については、今後さらに検討を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歩行リハビリ支援システムの骨格作り、プログラミング作業に時間を要した。一方で、リハビリ患者のデータ取得が当初計画のように十分に実行できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度の実施結果と問題点をふまえ、歩行計測データを採取・蓄積するとともに、支援システムとしての機能を高めるための改良を行う。基本的には、歩行計測の被験者数を増やし、リハビリ進行に伴う継続的なデータ計測を実施していく。計測調査やデータ解析、プログラミング作業を推進するため、研究協力者を増員する。データ入力、基本パラメータ値の算出、評価指標値の算出、回復や維持状況の説明、および結果の表示において、使いやすいシステムを構築するため、ソフトウェアを再考し改良を施す。さらに、構築システムの評価を行い、その結果を踏まえ改善策を講じていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計測調査の回数が当初の計画のように実行できなかったため、調査協力者への人件費支出の部分が若干減少したことによる。
|
次年度使用額の使用計画 |
計測調査やデータ解析の補助に対する研究協力者の人件費や関連物品の購入に充当していく計画である。
|