研究課題/領域番号 |
15K01468
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
田口 孝行 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20305428)
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研究分担者 |
田嶋 明彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00612615)
伊藤 奏 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10736474)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢者 / 体操教室 / 身体機能 / 循環機能 / 口腔機能 |
研究実績の概要 |
本研究ではプレ研究として、定期的な体操教室を1年間継続した際の“身体機能・活動状況”における変化を明らかにすることを第1の目的とした。また、体操教室を以後2 年間継続した際の縦断的効果を検証するための追跡調査のベースラインデータとするために“身体機能・活動状況”に加えて、“循環器・内臓器系状態”および“口腔機能状態”の3 領域の横断的データを取得することを第2の目的とした。 第1目的における対象者は、1年間の定期的な体操教室に参加している埼玉県Y市内の高齢者57名(女性44名、男性13名)とした。身体機能測定項目として、握力(上肢筋力)・CS-30(下肢筋力)・5m歩行時間(歩行能力)・Timed Up & Go(複合動作能力)を測定した。その結果、握力・5m歩行時間・Timed Up & Goに有意な改善効果が認められた(p<0.05)。 第2の目的における対象者は、定期的な体操教室に参加している埼玉県Y市内の高齢者として公募した。その結果、163名の参加者(女性136名:60歳代50名、70歳代77名、80歳代9名、男性27名:60歳代4名、70歳代18名、80歳代5名)が得られた。この対象者に対して、身体機能測定として、握力(上肢筋力)・CS-30(下肢筋力)・片脚立位保持時間(バランス能力)・5m歩行時間(歩行能力)・Timed Up & Go(複合動作能力)を測定した。循環器・内臓器系検査として、体組成計側(体脂肪率・筋肉量・体水分量・推定骨量等)と動脈の硬さと詰りの程度を計測するためにABI、CAVI、PWVを計測した。また、口腔機能検査として、『標準的な歯科健診プログラム(2009)』を用いた「口腔の健康力」を調査した。本結果は、体操教室に今後2年間参加してもらい、その追跡調査のベースラインとして活用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度より3年間の研究において、プレ研究として1年間の運動教室参加者の身体機能変化を確認でき、今後2年間の体操教室参加による身体機能・循環機能・口腔機能の長期的変化を捉えるためのベースラインとするデータを取得できたことで、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度のベースラインとした対象者は、測定後、体操教室へ継続的に参加しており、来年度も測定を実施する予定である。さらに、来年度は、1年間の医療費の削減効果についても検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の対象者として300名を予定していたが、測定会場と測定日時が対象者と合致せずに163名となってしまった。また、予定していた備品よりも性能が高く安価な備品を購入できたため、予算額と実際の支出に差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は、測定対象者を増加させる予定であるため、それに予算を充てる予定である。また、アンケート調査を行う予定であり、返信のための郵送費に使用し、より生活に密着した考察とする予定である。
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