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2018 年度 実施状況報告書

高次脳機能障がい者を対象とした危険運転行動の検出手法

研究課題

研究課題/領域番号 15K01472
研究機関富山県立大学

研究代表者

鳥山 朋二  富山県立大学, 工学部, 教授 (00418518)

研究分担者 浦島 智  富山県立大学, 工学部, 講師 (20315831)
馬田 一郎  国立研究開発法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所多感覚・評価研究室, 研究員 (40374110) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード高次脳機能障がい / 危険運転行動検出 / 安全確認行動検出 / 運転行動表出条件
研究実績の概要

本研究は,高次脳機能障がい者の自動車運転行動の中から,危険度の高いものを検出する手法の確立および,その運転行動表出条件の明確化を目的としている.平成30年度は29年度に医療従事者,運転指導員とともに再設計した公道運転コースを用いて年度早期(5~6月)にコース実験の2倍以上の被験者を対象に実験を実施する計画をしていた.この計画では公道実験の被験者数確保の困難が予想されたため,人数が確保できない場合には,時間を空けて再実験を行うことで,延べ人数で達成させることも視野に入れ,被験者を提供いただく病院と調整を実施していた.予定どおり5月から設計済みの公道運転コースを用いた実験を開始したが,6月頃から病院医師からの被験者患者の紹介が徐々に減少し,8月には途絶えてしまった.理由は明確にされていないが,高次脳機能障がい症状が残存する患者に公道で運転を実施することに対して,病院のリスク管理の観点からの判断がなされた可能性がある.病院医師には再三患者の紹介を依頼したが,最終的に目標の半分程度の被験者数どまりとなった.昨年度までの実験結果の分析から,運転行動の分析には視線情報が必須であると結論付けているため,EOGを用いた視線取得方法について検討した(国内会議で発表)が,精度的に不十分であることが分かった.そこで,直接目の方向をトラッキングする装着型の視線計測装置を準備し,以降の実験に適用した.その結果,例えばミラー確認の行動において,直接眼球をトラッキングする視線計測装置を用いた方が高精度に安全確認行動を取得可能であることがわかった.また,この視線計測装置から得られた実験データを用いて,車庫入れ時の視線の動きについてもこれまでに使用していた視線計測装置で行える分析限界について検討した(国際会議で発表).さらに開発中の運転者行動分析ツールにも,視線情報を扱うための改変を施した(国内学会で発表)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

H29年度研究終了段階では基本的には予定通りに研究が進捗したものの,年末からの大雪のため年末に予定していた公道実験をH30年度初頭に延期することになり,この部分の実験実施が計画に対して遅れていた.しかしながら,多くの被験者データを効率的に分析するためのツール開発も同時に実施したため,もともとH30年度中に実施を見込んでいたデータ分析の効率化が期待でき,計画終了に向けては遅延することなく終了する予定であった.
しかし,概要にも記したとおり,予定どおり5月から設計済みの公道運転コースを用いた実験を開始したが,6月頃から病院医師からの被験者患者の紹介が徐々に減少し,8月には途絶えてしまった.理由は明確にされていないが,高次脳機能障がい症状が残存する患者に公道で運転を実施することに対して,病院のリスク管理の観点からの判断がなされた可能性がある.病院医師には再三患者の紹介を依頼したが,最終的に目標の半分程度の被験者数どまりとなった.
このように計画に明らかな遅れが生じたため,H30年度はH31年度までの研究計画延伸を申請した.

今後の研究の推進方策

H31年度はH30年度に生じた被験者数未達問題を解消するために,H30年度に実施した実験結果の解析と並行して,協力いただける医療機関と交渉し,当初予定の被験者数を確保して実験を実施した上で,研究を完遂させたいと考えている.計画延伸を認めていただいたので,医療機関とは話し合いを進めている.また,この実験の結果分析をもとに実施する予定であった対外発表の実施,成果の執筆もH31年度内に実施する予定である.

次年度使用額が生じた理由

概要にも記したとおり,予定どおり5月から設計済みの公道運転コースを用いた実験を開始したが,6月頃から病院医師からの被験者患者の紹介が徐々に減少し,8月には途絶えてしまった.病院医師には再三患者の紹介を依頼したが,最終的に目標の半分程度の被験者数どまりとなった.このように計画に明らかな遅れが生じたため,H30年度はH31年度までの研究計画延伸を申請した.H30年度に生じた被験者数の目標未達によって,実験実施に係る費用,およびその実験結果分析をもとに実施する予定であった対外発表の実施,成果の執筆に関わる費用について差が生じている.H31年度はH30年度に生じた被験者数未達問題を解消するために,H30年度に実施した実験結果の解析と並行して,協力いただける医療機関と交渉し,当初予定の被験者数を確保して実験を実施した上で,研究を完遂させたいと考えている.したがって,差が生じた研究費はH31年度に行う実験実施,実験の結果分析をもとに実施する予定であった対外発表の実施,成果の執筆に使用する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Detection of Checking Action on Parking Significant for Cognitive Dysfunction Patients2018

    • 著者名/発表者名
      Toriyama Tomoji、Urashima Akira、Taisei Kanada
    • 雑誌名

      HCI International 2018 Posters' Extended Abstracts

      巻: ー ページ: 404~409

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/978-3-319-92285-0_55

    • 査読あり
  • [学会発表] Detection of Checking Action on Parking Significant for Cognitive Dysfunction Patients2018

    • 著者名/発表者名
      Toriyama Tomoji
    • 学会等名
      HCI International 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 高次脳機能障がい者の運転時視線運動特性検出手法2018

    • 著者名/発表者名
      金田大聖・鳥山朋二・浦島 智
    • 学会等名
      第17回情報科学技術フォーラム - 情報処理学会
  • [学会発表] 運転時の安全確認行動に対する分析支援システムの開発2018

    • 著者名/発表者名
      山本誠弥・浦島智・鳥山朋二
    • 学会等名
      平成30年度 電気関係学会北陸支部連合大会

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公開日: 2019-12-27  

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