研究実績の概要 |
本研究の目的は、筋電電動義手使用者の断端部の筋電電極位置決定と筋電義手操作訓練方法を検討するであった。筋電電極位置の研究方法は、健常者および切断者を対象に二次元表面筋電図計にて電極位置や出力方法を検討すること、また筋電義手操作訓練指標の課題(運動課題・作業課題・バーチャル課題)の有効性を検討することであった。その結果、有効な筋電極の位置と筋電出力方法が明らかとなった。また筋電義手操作法としては、作業課題が優位に筋電義手の制御・操作能力の向上が確認でき、作業活動を用いたトレーニング方法が有効であることが示唆された。筋電義手操作訓練の背景は、上肢切断者が使用する筋電義手の有用性は,Hermanssonらにより報告されているが,筋電義手の操作訓練方法が義手の操作能力にどのように影響するかは十分に検証されていない.そこで,本研究は筋電義手訓練プログラムの基本操作訓練と応用操作訓練に着目し,筋電義手操作能力に及ぼす効果の違いについて調べた.対象は,健常人20名と片側前腕切断者10名とした.健常人は,基本操作群と応用操作群の2群に分け模擬筋電義手を使用して5日間の訓練を実施した.片側前腕切断者は,基本操作訓練後に応用操作訓練を行う群と応用操作訓練後に基本操作訓練を行う群の2群に分け2週間の訓練を実施した.その結果,基本操作訓練は応用操作訓練より、筋電ハンドの開閉操作能力に訓練効果が認められ、応用操作訓練は基本操作訓練より、両手動作能力と筋電義手操作の総合的な能力に訓練効果が認められた.今後は、対象者と訓練課題の拡大を図り、臨床応用につなげていきたい。
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