補聴器や人工内耳の装用者からは,「話している言葉は分かるが,話している人の感情が分からない」「誰が話しているのか声で区別がつかない」などの不満が挙げられている.特に,環境ノイズや複数話者が存在する環境などの実環境において,強い不満が挙げられている.このように,聴覚補助器で非言語情報・パラ言語情報の伝達が不完全な理由の一つには,聴覚補助器での非言語・パラ言語情報の伝達性能を評価するための尺度が整っていないことが挙げられる.本研究課題では,話者の感情,話者の属性,話者の区別を,聴覚補助器の装用者がどの程度正確に聴取できるかを評価するための尺度のプロトタイプを作成した.
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