研究課題
脳機能における運動効果は多数の報告があるが、発達期でのAMPA受容体を介したメカニズムはあまり知られていない。この点を明らかにするために、本研究では3週齢のマウスを用いて回転イグルーを設置した環境エンリッチメント下で2週間飼育した。その後、前頭葉および海馬におけるシナプス可塑性を電気生理学、ウエスタンブロット法で検討した。行動実験にはローターロッドテスト、新規性テスト、電気ショックによる能動的回避学習(IAテスト)を用い、認知機能を評価した。これらのうちIAテストでは運動群で学習成績は有意に向上した。また前頭葉におけるBDNFの上昇が観察された。これらの結果は発達期の運動が認知機能を向上させることを示唆する。今後は引き続き、電気生理学実験によって検証していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
今年度は行動評価・ウエスタンブロッティングによる発現タンパク質の評価ができた。
電気生理学的評価が不十分である。ノーマルな動物を使用しているため、短期的な学習課題で得られる知見との区別がつきにくい。パッチクランプ、フィールド電位等の記録を行い、長期的な運動効果の評価をする予定である。
本年度の実験では行動量測定装置(USBIR-4)を購入予定であったが、他の行動実験で代用できたので次年度は使用額が生じた。
平成28年度はパッチクランプの備品に充てる予定である。
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Cerebral Cortex
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Glia
巻: 64(1) ページ: 48-62
10.1002/glia.22902