研究課題/領域番号 |
15K01501
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木田 裕之 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70432739)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 環境エンリッチメント / AMPA受容体 / BDNF |
研究実績の概要 |
環境エンリッチメントと脳機能の向上の関係についてはこれまでに様々な報告がされてきたが、活動量まで定量化することは難しい。そこで本研究では、長期間における運動量を定量化した上で運動学習が前頭前野のネットワークにどのような効果を及ぼすのかという点を行動学的・生化学的に検討した。 発達期の自発運動体験が脳内に及ぼす影響を調べるために、3週齢マウスを運動器具入りのケージ内で2週間飼育した。自発運動が行動に及ぼす影響および帯状皮質でのAMPA受容体、BDNF発現量の変化を検討した。長期運動群では、抗不安作用、能動的回避学習成績が有意に上昇し、総運動量との正の相関が観察された。さらにAMPA受容体の発現量は変化しなかったものの、BDNF発現量は上昇した。これらの結果から発達期運動による効果が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究から、長期間の運動が行動に及ぼす影響、および脳内の神経栄養因子の発現の増加が確認できた。行動実験からは、物体認識のようなストレス程度が低いものではなく、抗不安効果や高次脳機能への関与が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
結果は未だプレリミナリーであるが、今後は前頭葉のシナプス可塑性にフォーカスを当てて電気生理実験を展開してゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の実験内容に変更はなかったが、当初予定していた実験試薬の変更により177362円未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
この未使用額については平成29年度の実験試薬購入に充てる。
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