| 研究課題/領域番号 |
15K01506
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| 研究機関 | 帝京大学 |
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研究代表者 |
崎原 ことえ 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (40423115)
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| 研究分担者 |
稲垣 真澄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 部長 (70203198)
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70280774)
中村 みほ 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 室長 (70291945)
北 洋輔 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 室長 (90627978)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 適応的歩行 / 発達障害児 |
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| 研究実績の概要 |
本研究にて自閉症スペクトラム障害（ASD）児の適応的歩行に関わる視覚認知機能について検討を行った．対象は健常成人7名（男性2名，平均23±3歳），健常小児5名（男児2名，平均11±2歳），ASD児12名（男10名，平均11±3歳）とした．視覚課題ではランダムドットへの方向弁別を実施し，反応時間および頭皮上32か所から脳波を計測した．脳波解析では独立成分分析法を用い，右頭頂後頭部からN200成分を抽出し，振幅，潜時を解析した．心理課題ではレーヴン色彩マトリックス，WISC-Ⅳ，DCDQ，MABC2，SRSおよびConnersを実施した．
すべての被験者から右頭頂後頭部にてN200成分が認められた．ASD児は健常小児よりもN200成分の潜時が有意に遅延し，ASD児は視覚運動処理が遅いことが示唆された．ASD児にて，WISC-ⅣとMABC2とでPearson相関分析を行ったところ，WISC-Ⅳの「積木模様」とMABC2の「Manual Dexterity」，「Aiming Catching」とに有意な相関，またWISC-Ⅳの「行列推理」とMABC2の「Manual Dexterity」とに有意な相関がみられた．このことから部分を全体として捉える能力または全体を部分に分ける視空間認知機能が高いほど運動機能も高いことが示された．また，SRS，WISC-Ⅳ，DCDQ，MABC2にて重回帰分析を行ったところ，SRSの「対人コミュニケーション」とDCDQの「微細運動」，MABC2の「Aiming and Catching」間にて有意な相関を示し，さらにSRSの「自閉症的常同行動」とDCDQの「微細運動」，MABC2の「Aiming and Catching」とに有意な相関がみられた．SRSはASDの重症度を反映するため，重症度が高いほど手先の微細運動と粗大運動が低下することが示された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
脳波解析法に誤りが見つかり再解析を行った．また脳波と行動データ，心理検査データにて新たに重回帰分析法を導入したため，進捗が遅れている．
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| 今後の研究の推進方策 |
発達性協調運動障害（DCD）児とWS（ウィリアム症候群）児を対象に，適応的歩行に関わる視覚認知機能について検討する．視覚課題として昨年と同様に，ランダムドットキネマトグラムによる方向弁別課題を用いて，脳波および行動データを記録する．心理行動課題では下方向へ落下物体を把握する（把持課題）を行う．認知心理課題として，レーヴン資金才マトリックス（視覚発達知能検査），WISC-IV（知能発達検査），DCDQ（協調運動発達検査）およびConners（注意・行動発達検査検査），SRS（社会性スキル発達検査）およびM-ABC2（小児運動発達検査）を行う．脳波データでは独立成分分析法にて解析を行う．脳波データ，行動データおよび心理検査課題との間で重回帰分析を行う．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）
研究の進捗状況に応じて，当初の研究計画で予定していた物品や消耗品などを変更し，既存の実験ツールで研究を進めていたため，次年度に使用額が生じた．
（使用計画）
最終年度は研究計画に沿って，物品，消耗品などを購入する予定である．
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