研究課題/領域番号 |
15K01510
|
研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
村上 晴香 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部, 研究員 (20344880)
|
研究分担者 |
tripette julien お茶の水女子大学, 生活科学部, 研究員 (30747481)
山田 亮 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301106)
川口 喬久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30566120)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 身体活動パターン / 10分バウト / Sedentary behavior |
研究実績の概要 |
身体活動や運動が生活習慣病等の予防に重要であることは多くの研究により報告されている。しかしながら、これまでの研究は、日常身体活動を大局的・平均値的に評価しているものが多い。本研究では、日常の身体活動をより多面的かつ客観的に評価することを目的に行った。 本年度においては、主に抽出すべき身体活動変数の決定、およびその身体活動変数抽出のためのソフト開発を中心に行った。具体的には、①3次元加速度計から得られた1分毎のメッツ値を用いた装着・非装着の判別、②複数の計測日から1日の装着時間(設定可変)を用いた有効日の抽出、③10分間の身体活動の連続性(10分bout)を加味した中高強度身体活動量(MVPA)の算出、④1.5メッツ以下の身体活動(Sedentary behavior)(連続性の設定可能)の積算・平均時間の算出、⑤Sedentary behaviorのブレイク数の算出、以上を搭載したソフト開発を行った。 811名の3次元加速度計から得られた1分毎のデータ(1分×24時間×14日以上)を基に、上記ソフトを用いて身体活動変数を抽出し、解析を行った。MVPAは、平均3.9±2.2メッツ・時/日であり、10分boutを考慮したMVPAは1.7±1.7メッツ・時/日であった。Sedentary behaviorは、1日あたり528±110分であり、そのブレイク数は84±15回であった。このSedentary behaviorの連続性を加味して検討したところ、10分以上、20分以上、30分以上の連続性のSedentary behaviorは、それぞれ1日あたり合計337±116分、226±103分、157±87分であった。これらの身体活動とBMIとの関連を検討したところ、MVPAにおいてのみ、BMIの3群(18.5未満、18.5-25.0、25.0以上)に有意な差が認められた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の予定は、1)抽出すべき身体活動パターンの決定及び、そのソフト開発、2)身体活動パターンと生活習慣病リスクファクターとの関係の検討、3)身体活動パターンに関与する遺伝要因の検討であった。1)2)については、順調に進んでいる。3)については、平成27年度~28年度において実施する予定であり、すでにデータセットが整備されたことから順調に進行していると思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成27年度に開発したソフトにより抽出される身体活動変数に対する遺伝要因との関連について検討を行う。また、身体活動については、1分毎のデータを用いたクラスター解析や主成分分析を行うことで、より詳細な身体活動パターンの検討も行う。
|