研究課題
適切な身体活動量や運動の実施が、生活習慣病や認知症等の発症リスクを低下させることは多くの研究により報告されている。しかしながら、身体活動や運動の重要性は広く認識されているものの、それを“行動”に起こすことは困難である。日常の身体活動量や運動実施における個人差には、一部、遺伝的要因が関与していることが報告されている。本研究では、人における日常の身体活動パターンを評価し、その個人差に影響を及ぼす遺伝的要因を明らかにすることを目的に行った。506名の成人男女において、約600万カ所のDNA上の一塩基多型(SNP)のデータを用いて、身体活動パターンに関連する遺伝要因について検討を行った。その結果、いくつかのSNPにおいて高強度身体活動との関連が認められた。p < 10^-7の有意水準で高強度身体活動と関連が認められたSNPの近傍の遺伝子188個を用いてpathway解析(enrichment analysis)を行ったところ、493個のpathwayが抽出され、%overlapが3%以上、投入されている遺伝子の個数が2個以上の条件でさらに絞り込みを行ったところ13個のpathwayが抽出された。これらには、ミトコンドリアDNAの複製や転写に関連するpathway、NOSの産生に関連するpathway、CREB signalingに関するpathway、神経接合に関連するpathwayが含まれていた。高強度身体活動の多寡に、これらの経路が関与する可能性が示唆された。
すべて 2018 2017
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