研究課題/領域番号 |
15K01515
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
鈴木 直樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60375590)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教師の成長 / 教育実習 / 教育実習生 / メンター / 国際比較研究 / 教員養成課程 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、海外の教育実習の取り組みについて調査を行った。調査は、インターネットを活用し、調査紙を研究協力者に送付し、米国8大学とポーランド、フィンランド、スコットランド、中国、台湾、韓国の各1大学ずつから回答を得た。これらの回答を一覧にまとめ、日本の教育実習との相違を明らかにしているところである。ここで見いだすことができた違いは、メンターや教育実習生の成長を解釈する上で重要な視点となることが期待される。 また、海外でメンター及び教育実習生に教育実習に関わるインタビュー調査を実施した。インタビューは米国の4地区、フィンランド、スコットランド、中国、台湾、韓国の各1地区で実施した。インタビュー方法は半構造化面接とし、平均して30分程度である。インタビューは分析するために全て逐語録化した。さらに、米国、フィンランド、スコットランドでは、教育実習への取り組みを参観し、具体的な取り組みの状況とメンターと実習生の関係を授業を通して観察することができた。現在、これらのデータを分析中であるが、メンターと教育実習生の成長の仕方と両者の関わり方の違いが明瞭になってきたといえる。これは、教育実習という機会におけるメンターの成長のより良い方向性を見いだす上で重要な情報になるといえる。 さらに、東京学芸大学附属学校園の教育実習に繰り返し訪問をし、その現状と課題を明らかにしてきた。国内の教員養成課程のカリキュラム調査については着手したばかりであるが、今後は、この内容と教師としての資質・能力の伸長との関係について質問紙調査を手掛かりとして明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定をしていた海外の教育実習システムの調査については順調に実施することができた。また、海外での教育実習に関するインタビューについても順調に実施することができた一方で、国内でのインタビュー調査が不十分に終わっているので、これについてはできる限り早い時期に終了できるように努めていきたい。 さらに、国内大学の教育実習のカリキュラム調査については、報告書等での整理が中心となり、当初予定していた質問紙調査の実施ができていない。しかしながら、これは研究を遂行する上で必要かどうかを改めて検討した上で平成28年度に取り組んでいきたい。 概ね、予定していた研究には取り組むことができ、平成28年度はその成果を国内外で発表する準備が順調に進んでいる。そのため、「おおむね順調に進展している」という評価をした。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成27年度に取り組んだ研究の成果を国内外の学会で発表をしていく予定である。発表を通し、さらに研究内容について整理していきたいと考えている。 また、平成27年度に不十分であった国内の研究調査をできるだけ早い時期に実施して、海外との比較検討を行うことができるようにしていきたいと考えている。その後、これらの研究をまとめて、平成28年度に計画しているフィールドワークに生かしていきたいと考えている。 フィールドワークは、当初の予定どおり、米国と日本国内で行いたいと考えている。米国では9月か3月の実施を計画している。実施場所は、オレゴン州かニューヨーク州、マサチューセッツ州の3つの州の中から一箇所を選定する予定で、現在、やりとりをしているところである。期間は3週間を計画しており、その期間、学校で教育実習生とメンターとともに生活しながら、そこで起きている出来事についての解釈を試みていきたい。同様に日本国内でもフィールドワークの実施を検討しているが、海外を優先として日程を検討した上で、予定を組んでいきたいと考えている。 以上の取り組みを通して、指導する側のメンターと学ぶ側の教育実習生の関わりに注目して教師の力量形成のプロセスを明らかにすることが本年度の目標である。そのために、受け入れの学校の教員との関係構築を事前に行うことが大きな課題となる。また、3週間にわたる海外でのフィールドワークにおいて、海外での生活拠点が重要となる。そのために、研究協力者との連絡を密にとって安全に計画的にフィールドワークを進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に収集したインタビューデータの文字起こしを4月に繰り越したために残額が出た。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビューデータを逐語録化するための費用として使用する。
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