研究課題/領域番号 |
15K01525
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
高野 牧子 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (30290092)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学習指導要領 / 接続カリキュラム / 身体表現 / バイエルン州 / レッジョ・エミリア |
研究実績の概要 |
「身体表現・ダンス教育による接続カリキュラム構築」に向け、学会発表および論文を公表した。まず、イタリア、レッジョ・エミリア市における芸術教育について、実地調査に基づき得られた結果を論文(共著)髙野牧子・濱口由美(2020)「レッジョ・エミリア市における芸術教育-「レッジョ・ナラ」を中心に-」山梨県立大学人間福祉学部紀要vol.15, pp.12-22にまとめ、公表した。 また、2019年度に視察したドイツ、バイエルン州における森の幼稚園での具体的な活動内容については、学会発表として、単独、口頭発表「命の教育」-ドイツでの「森のようちえん」の事例をもとに-」第73回日本保育学会、2020.5.17. 奈良教育大学(新型コロナ感染拡大のため、Webでの公開のみ)および、研究論文「ドイツ「森の幼稚園」における保育内容」(山梨県立大学人間福祉学部紀要vol.16,pp.12-22にまとめ、公表した。 2020年度ドイツ、バイエルン州より幼児教育者を日本に招き、講演会を開催すると共に、インタビュー調査も実施する予定でいた。しかしながら、新型コロナ感染拡大により、渡航中止となり、本企画を中止せざるを得なくなった。そこで、バイエルン州の学習指導要領およびバイエルン州、教育者のためのガイドラインを入手し、翻訳を依頼し、視察したドイツ、バイエルン州における教育制度及び指導内容、指導法などを明らかにした。身体表現、ダンスに関わる新たな知見も得ることができ、接続カリキュラム構築に向けた貴重な資料となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の調査結果を論文にまとめ、公表することはできた。 しかしながら、新型コロナ感染拡大による渡航中止に伴い、2020年度当初予定していたドイツから幼児教育者2名を招聘し、講演を開催し、広く山梨県の幼児教育に関わる研究者、保育者への啓発や研究をより深めるためのインタビュー調査を実施する研究活動は全くできず、新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けてしまった。ZOOMによるインタビュー調査も検討したが、ドイツ側の機材設定が難しく、断念するに至った。 代替え案として、バイエルン州の学習指導要領と教師の指導ガイドラインを翻訳し、新たな知見を得て、全く研究を止めてしまうのではなく、少し進めることができ、全体としては「やや遅れている」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツでの研究が途上で終わっているため、これまでの調査研究で得られた実践的資料を補完するために、アウグスブルグの接続カリキュラムについては、現地教諭に対し、メールでの質問紙による調査を行う予定である。 その上で、本研究で行ってきたイタリア、レッジョ・エミリア市およびドイツ、アウグスブルグにおける調査研究の全体を取りまとめる。両国の実践内容を比較検討し、日本における「身体表現・ダンス教育における接続カリキュラムの構築」について、試案を作成し、公表していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、ドイツより2名の幼児教育者を招き、講演を開催すると共にインタビュー調査も実施の予定であり、これに係る通訳者も含め、謝金として支払い予定であった。しかし、新型コロナ感染拡大により、中止せざるを得ず、謝金が生じなかったためである。 使用計画として、今年度は最終年度であり、ドイツ語によるアンケート調査の実施のための翻訳費用、および本研究で得られた研究成果を報告書として取りまとめ、公表する印刷代に使用する。
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