研究課題/領域番号 |
15K01526
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
京林 由季子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (20234396)
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研究分担者 |
平田 佳弘 環太平洋大学, 体育学部, 准教授 (30725320)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 体育科教育 / 武道授業 |
研究実績の概要 |
特別支援教育の視点を踏まえた保健体育科指導法の授業内容の検討に向けて、現行の教職課程(保健体育)専攻学生の特別支援教育に関する知識と意識について明らかにすることを目的に無記名の質問紙調査を実施した。調査内容は、①障害のある児童生徒と授業で関わった経験の有無とその時期5項目(選択肢と自由記述による回答)、②障害と特別支援教育に関する言葉の知識13項目(4件法による回答)、③特別支援教育に関する意識15項目(4件法による回答)であった。回答の得られた174名(回収率87.0%)について分析した。結果は、①体育授業を一緒に受けた経験は70.7%であり、「小学生の時に同じクラスに障害のある児童がいたため」とする回答が最も多かった(39.7%)。「印象に残っていること」に関する自由記述の回答は、「参加の困難さ」、「配慮」、「支援体制」、「指導の困難さ」「行動特性」、「その他」の6つのカテゴリーに分類できた。②障害と特別支援に関する言葉の知識については、「発達障害」という言葉は8割以上の学生が「理解している」、「イメージできる」と回答したが、「自閉症」、「学習障害」、「注意欠如多動性障害」については、4~5割の学生が「具体的にイメージできない」、「分からない」と回答した。③特別支援教育に関する意識に関する15 項目に対して因子分析を行った結果,解釈可能な因子として「ネガティブイメージ」、「興味・関心」、「特別支援のイメージ」、「特別視」の4因子が見出された。合理的配慮やユニバーサルデザインの授業作りなどの指導法に結びつくような知識や具体的指導法の教授内容の検討が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2016年の鳥取沖地震の影響による教員の多忙化のため2017年実施予定の鳥取県での調査が中止となり、2018年に岡山県での追加調査によりカバーし研究成果をまとめる計画をしていたところ2018年夏に西日本豪雨災害が発生した。岡山県内の多くの市町村が被災し、県・市教育委員会及び中学校教員が事後対応や復興支援に追われている現状から今年度の調査の実施を見送り、次年度に計画を見直し実施することにしたため。
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今後の研究の推進方策 |
(1)武道授業担当教員に対する調査について、web調査も取り入れ調査データ数を増やし、再分析を行う。 (2)武道授業において実施されている配慮・支援の内容を、ユニバーサルデザインの視点も加えて集計・分析する。 (3)平成30年度の研究成果を、日本体育学会、日本発達障害支援システム学会で発表する。 (4)研究成果を報告書にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
・西日本豪雨による影響でA県での調査の実施が不可能となったため、調査に関わる物品費、人件費等の支出がなかったため。 ・今年度は、武道担当教員を対象とした調査のデータ数を増やすため、web調査を業者に依頼する計画であり、そのための調査費(人件費等)として使用する予定である。 ・研究成果の発表・情報収集のための旅費として使用予定である。
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