研究課題/領域番号 |
15K01531
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
丸山 麻子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助手 (00420878)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 若年女性 / 身体活動 / ビタミンD |
研究実績の概要 |
(目的)近年、若年女性において適当な身体活動や十分な血中ビタミンDが必要であるにもかかわらず、その不足が深刻な状況である。それにより、骨粗鬆症やがんや生活習慣病の発症など、将来の健康状態が不安視されている。これまでに屋内よりも屋外で行う身体活動が血中ビタミンD濃度を上昇させることを明らかにしており、本研究では、屋外で行う身体活動の有効性を若年女性の血中ビタミンD濃度および運動機能に及ぼす影響の観点から検証する。 (方法)今年度は被験者選定を中心に行った。本研究の目標が冬期において、①屋内スポーツ競技者に対し、通常のトレーニングに影響を及ぼさない程度の屋外での異なる内容での補助運動の有用性を検討する、②身体活動の少ない若年女性における屋外での軽運動の有効性を検討することであり、より身体活動の少ないことや低ビタミンD状態が問題とされている中学生・高校生での研究の可能性を模索した結果、研究参加が可能な中学・高校(運動部および文化部)の協力が得られることとなった。そのため、現在研究実施のための情報取集を行っている。 これにより、女性の健康の基盤となる時期での検討ができ、身体活動をすでに行っている女性だけでなく身体活動のない女性の血中ビタミンDの不足も解消する方法の提示も可能となり、すべての女性の健康状態を改善するための方法を資する知見を提供できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はより研究テーマにみあった研究とするため、被験者の選定に時間がかかり、本研究は冬期での実施計画のため、研究開始に時間を要している。 しかし、次年度に、すべての測定を並行して実施することが可能となったため、研究の進捗に問題はないものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、すべての女性に対する血中ビタミンDの不足も解消する方法を検討することを目的とする。被験者は定期的な運動習慣を有する者(屋内・屋外・屋内外競技者)と文化部(身体活動の少ない者)の女子中学・高校生とする。日光暴露時間が短くなる冬期前半(12月頃)および冬期後半から春期前半(3月~4月)に骨強度、体力、栄養素摂取量調査(BDHQ)、身体活動量調査(歩数)を行う。また、採血により骨代謝マーカーとして、骨吸収マーカー:骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP-5b)、骨形成マーカー:骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)、および血中ビタミンDとして25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)、副甲状腺ホルモン(PTH)、女性ホルモン(エストラジオール、プロゲステロン)を測定する。 本研究の目標達成により、低ビタミンD状態に陥りやすい屋内スポーツ競技者においては、傷害を未然に予防し、常に最高のパフォーマンスを発揮するための無理のないトレーニングの実施に資する知見となる。また、学校体育および一般市民レベルに対しても生涯にわたって骨粗鬆症や生活習慣病の予防を啓発するための効果的な運動方法を提案することにも繋がると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はより研究テーマにみあった研究とするため、被験者の選定に時間がかかったことに加え、本研究は冬期での実施計画のため、研究開始に時間を要し、当初予定していたスケジュールでの研究が行えなかったため。 しかし、次年度に、すべての測定を並行して実施することが可能となったため、研究の進捗に問題はなく、昨年度予算と合わせて今年度使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
「身体活動」および「血中ビタミンD」の増加が主な目的であり、それらを目に見える形での評価を行うための検査・測定の実施にかかる費用(血液分析費、消耗品費)が多くを占め、被験者謝金を必要とするほか、膨大な測定データや検査データの入力と整理に補助が必要であり、人件費・謝金を計上する。また、測定場所が学外となるため、移動のための交通費や機材の輸送のための郵送費も必要となる。
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