研究課題/領域番号 |
15K01540
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
林 綾子 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 教授 (10454464)
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研究分担者 |
金森 雅夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90127019)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 登山活動 / 標高 / 動脈血酸素飽和度 / 冒険教育 / Expedition Behavior |
研究実績の概要 |
平成29年度は本研究計画の3年目の年であり、これまでの結果の公開とさらなる調査発展を図った。公開としては、6月に長野にて開催された登山医学会の学術集会が、本年度はアジア・太平洋国際会議との合同開催となり、英語での口頭発表を行った。内容は、過去数年蓄積してきた登山者の心拍数と動脈血酸素飽和度の関連性を、標高や、登山開始からの時間、距離、荷物の重さなどの要因からの分析や、富士山での3日間継続的な測定を行った比較であり、「Monitoring SpO2 during Mountain Trekking Activities ― Analyses of Various Factors at Different Altitudes from 10 Mountain Trips ―」というタイトルにて、2017年の登山医学(学術雑誌)に掲載された。 また、実践面では、アメリカロッキー山脈へのエクスペディションにおいて、3泊4日の山行にて調査を実施した。これまでのデータの蓄積としての生理的データ(心拍数・動脈血酸素飽和度・主観的評価・高山病調査)に加え、教育目的でのエクスペディションであったことからも、集団形成に焦点を当てた「expedition behavior」と言われる遠征における集団行動心得とも言える「自己・他者・グループとの関係」への意識向上を図る概念を用いた調査を行った。その結果、心理的・生理的な負荷があるからこそ、自己や他者の深い気づきにつながり、気づきへ向き合いながら集団としての目標達成に向けた個々人の意識や行動変容が明らかになった。異文化ならではの刺激の多い体験や、wildernessといわれる原生的な自然環境での活動なども多様な気づきへとつながっていた。現在結果を分析し、考察をおこなっているところであり、2018年の登山医学会の学術集会にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集、学会発表は順調に行っているが、集計・分析・執筆活動が遅れている。発表や投稿学会の選択について共同研究者と議論を行っており、より方向性の適した公開先を探索しながら、公開方法の検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで長期的に蓄積してきたデータに関しては、同様に調査をすすめ、データを蓄積する。さらに、これまでの結果を反映させ、調査についての修正が必要であると考えられ、新たな研究計画の立案と、実施を開始するとともに、執筆を進め、論文投稿に尽力したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外への出向費用を出す予定であったが、他の大学での仕事との兼ね合いで、大学の経費で旅費を出すこととなった。また、謝礼を出すはずの業務が進行しておらず、支払いが次年度に持ち越されたため。
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