研究課題/領域番号 |
15K01553
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
安田 智洋 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20549604)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サルコペニア / 血流制限 / 筋力トレーニング / 健康長寿 / 介護予防 / 下肢 / ロコモティブシンドローム |
研究実績の概要 |
本研究では、日常生活レベルの負荷強度で十分な筋肥大を示し、動脈の硬さや安全性も維持できる血流制限下の筋力トレーニングに注目し、高齢者に有用な在宅での筋力トレーニングを検討している。
<実験1:弾性バンド・トレーニング> 【目的】12 週間の筋力トレーニング(スクワットと膝伸展運動)を実施し、血流制限下の弾性バンド・ トレーニングが高齢者の筋サイズ、最大筋力および安全性へ及ぼす影響を検討した。 【結果】血流制限群では動脈のしなやかさ等、生体への安全性が確保されたままで顕著な骨格筋の肥大と最大筋力の増加が生じることが明らかと なった。 【考察・結論】12 週間のトレーニング後、中高強度群は骨格筋の大きさに変化がなかったが、血流制限群では大腿四頭筋の筋横断面積が 7.2%の増加を示した。これは同じトレーニング条件(12 週間、週 2 回)で高齢者を対象とし、低重量負荷のマシンを利用した血流制限トレーニングによる増加(8%)とほぼ同等である。したがって、血流制限トレーニングは、弾性バンドを用いた場合でも高齢者の下肢骨格筋を十分に肥大させることができると判明した。この トレーニング方法はマシンや重りを必要としないため、ベッドサイドでも実施することができ、急性期病床の患者に対する廃用性筋萎縮の予防・治療としても大きな効果が期待できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
弾性バンド・トレーニングが終了し、論文としても掲載が決定したため。
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今後の研究の推進方策 |
次の実験(ステップ・トレーニング)に必要となる実施環境(被験者、実験場所や機材の確保など)を整えたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
職場の変更に伴い、平成27年度に骨格筋の評価装置「体成分分析装置(InBody 430)」の購入を検討していた。しかし、その測定装置の重要性から、学内全体での共有が決定し、研究者個人の予算(科研費)で購入する必要がなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者の確保、実験機器の購入・移送費、骨格筋測定(MRIにかかる費用)など
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