研究実績の概要 |
本研究の目的は,実投手の投球動作を再現し得る野球用アッパーリム式ピッチングマシンとソフトボール用ウインドミル式ピッチングマシンを開発することである.開発するマシンは,個性豊かな実投手の独特な投球フォームと全く同じ投球動作で投球をすること,ボールを握るハンド部は,ヒトの皮膚触感を持つ指を有し,野球ボールやソフトボールの縫い目や卓球ボールの強度に適合した握りを実現することを可能にする.また,柔軟ハンドのリリースのタイミングを変化させて,希望するボールの球種やスピンを制御可能な実用的なマシンの開発を行う. 本年度は,風車のように投球するウインドミル投法が可能なソフトボール用アーム式ピッチングマシンを試作し,投球評価を行った.また,試作したマシンの投球シミュレーションを実施し,ウインドミル投球時のボールのリリースのタイミング(指の開閉動作時間)と投射角(投球コース位置)との関係について検討を行った.11m先の的に向かって投球する実験を実施し,球速や投球精度を測定した.その結果,球速は約80km/h,球種は直球とカーブが投球できる.一方,投球精度は,標準偏差が縦方向450mm,横方向50mmであり,横方向の投球精度はボール半個分の高い精度であった.縦方向の精度があまり高くないため,リリースのタイミングをさらに検討し,改善していく予定である. また,ジャイロボールが発射可能な卓球マシンを製作した.本卓球マシンを用いて発射実験を行い,最高発射速度は150km/h,トップスピン,サイドスピン,ジャイロスピンのすべての球種が発射可能であった.また最高スピン数8,000rpmを超え,高い発射性能を有していた.
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