研究課題/領域番号 |
15K01574
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
市川 浩 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (20375463)
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研究分担者 |
永野 康治 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (00548282)
下山 好充 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (20375364)
栗木 明裕 筑紫女学園大学, 現代社会学部, 講師 (30737979)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | クロール泳 / キック動作 / 推進力 / 反張膝 / 関節可動域 |
研究実績の概要 |
本研究課題は膝関節角度が通常の伸展角度0度以上に伸展する下肢アライメント特性「反張膝」を有する競泳選手を対象に,その反張膝がクロール泳のキック技術やパフォーマンスの及ぼす影響を実験により検証することを目的としている。これまでの調査でキック動作中の足部の三次元動作をより精度よく得ることが必要となったため,動作定量化手法を精査した。男子大学競泳選手3名を対象に,室内25mプールでのキック動作試技を実施した。試技中の左下肢動作をモーションキャプチャシステムにより定量化するために,被験者左下肢11箇所に高輝度LEDを用いた自発光マーカーを装着する手法を試みた。マーカー装着位置を試行錯誤することで,従来のキック動作分析手法で報告されている下肢各関節の屈曲伸展角度はもちろん,下腿・後足部・前足部それぞれの回旋動作を得ることが可能となった。一方で,大腿部中央に装着したマーカーは揺らぎが見られ,大腿部の回旋動作精度には改善が求められた。また,今回の対象者は競技レベルの異なる者(国際大会出場・日本学生選手権出場・地区大会出場)を採用した。蹴り上げ局面前半において下肢各セグメントの回旋角度が低下する様子や,蹴り下ろし局面序盤に前足部と後足部の間のひねり(回旋角度差)が増加する様子が,3レベルに共通する下肢回旋動作として観察された。競技レベルの高い者は下腿から前足部にかけて回旋角度のピーク値が順次出現する動作の連動性が存在するなど,技術的な差異も観察するなど,過去に報告のないキック動作中の下肢回旋動作に関する知見を得ることができた。水中における下肢動作の三次元計測手法を試行錯誤することによって,キック動作による主要推進力発生源と考えられる前足部の位置および姿勢を安定して得ることが可能となった。今後,足部圧力計測と合わせた推進力定量化実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高い精度での足部三次元動作計測を実現することに専念したことによる。対象者を限定し,試行錯誤を繰り返した結果,従来の研究報告では考慮されていなかった足部の変形を,前足部と後足部に分けて定量化する手法を構築することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた平成28年度分の実験を優先して実施する。研究成果の一般性が低下することになるが,対象者を限定することで確実かつ効率的に成果を得ることを目指す。この結果を受けて,平成29年度に予定していた実験の規模を調整することで,目指した研究デザインを完遂したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた実験が一部未実施であり,これに使用する消耗品や被験者/補助者への謝金を支出していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に実施の実験消耗品や謝金として使用する。
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