研究課題/領域番号 |
15K01578
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
中原 英博 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (90514000)
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研究分担者 |
宮本 忠吉 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (40294136)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インターバルトレーニング / 適応効果 / 呼吸 / 循環 / 代謝 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究では、週に1回の低頻度・高強度インターバルトレーニングによってもたらされる、呼吸・循環・代謝、そして運動パフォーマンスの適応効果の順序性、及びそのメカニズムを解明するために、近赤外線分光装置を導入し、革新的な週1回のインターバルトレーニングによって引き起こされる骨格筋有酸素能力の適応効果を明らかにすることを目的として行った。 被験者は健常学生2名を対象とした。週に1回の低頻度・高強度インターバルトレーニングは、漸増負荷運動で得られた最大負荷量(Watt)の80%負荷を疲労困憊まで持続させ、3分の休息期を挟み合計3回繰り返し行わせる手法を用いた。トレーニング頻度は、週に1回、合計8回行わせた。トレーニング前後に漸増負荷運動によって最大酸素摂取量を測定した。 トレーニング1試行目の運動継続時間は、トレーニング1回目とトレーニング8回目とを比較して、1名は6分3秒から9分17秒に、もう1名は5分31秒から7分17秒にそれぞれ延長しており、トレーニングによって運動継続時間が増加する傾向が認められた。また、近赤外線分光法によって得られた、トレーニング中の疲労困憊時に得られる活動筋内のstO2(%)は、トレーニングを重ねる毎により減少する傾向が認められた。トレーニング後の漸増負荷運動によって得られた最大酸素摂取量は、トレーニング前と比較して1名は2585mlから3137ml、もう1名は3203mlから3205mlであった。漸増負荷運動中の心拍数の値は、トレーニング前と比較して、トレーニング後には低値で推移する傾向が見られた。 これらの結果から、週に1回の低頻度・高強度インターバルトレーニングによって、高強度一定運動の運動継続時間が著しく延長すること、そしてその機構には骨格筋有酸素能力の向上が関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画である、週に1回の低頻度・高強度インターバルトレーニングによってもたらされる、呼吸・循環・代謝、そして運動パフォーマンスの適応効果の順序性、及びそのメカニズムの解明に関しては、概ね順調に進み、これまでの研究によって、トレーニングによって呼吸及び末梢組織の有酸素能力に適応効果がもたらされること、そしてそれらには順序性が認められる可能性が示唆された。これらの事実に加えて、本研究の成果を公表するために、被験者数を増やし、データを重ねることで、トレーニングによって引き起こされる適応効果、そしてその順序性を詳細に検討する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、上記に記載したように、本トレーニング手法によってもたらされる適応効果、そしてその順序性を詳細に検討し、成果を公表するために、被験者数を増やしデータを重ねる予定である。実際には、平成28年度に購入した、多チャンネル組織酸素計をもう一台購入し、効率良く、トレーニング前後、並びにトレーニング中の呼吸・循環・代謝、そして運動パフォーマンスの比較検討を行う。また、アセチレン再呼吸法を用いて運動中の心拍出量測定も同時に検討する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、アステム社の多チャンネル組織酸素計を1台購入した。最終年度は、平成28年度に得られたデータを更に詳細に検討し、効率良くデータを重ね、成果を報告するために、もう一台多チャンネル組織酸素計を購入することを計画している。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の申請は、データを効率良く収集すること、そしてそれらの成果を公表することに必要な物品に費用を費やす予定である。 高額な物品は、アステム社の多チャンネル組織酸素計、そしてそのデータ取込みPCを購入する計画である。
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