研究課題
計測したモーションデータと自作の解析プログラムを用いて運動依存トルクを計算した。力学モデルを上肢-体幹の18自由度とし、関節運動間の力学的相互作用を分析した。投球では全身を協調させて、手先に望ましい速度と軌道を与えることが要求される。この全身の協調性を、力学モデルを用いて分析し、運動スキルの評価を可能とする研究方法を確立した。加えて、投球動作の違いによる運動の効率性の差異を評価した。これらの分析方法を通して、最適な投球動作に対する理論的理解を発展させた。ダイナミックなスポーツ動作を通じて、いかにエネルギーを遠位部に伝達するかという疑問は従来のバイオメカニクス研究から興味深く議論されてきた。この問題に対し、本研究手法は定量的データを用いてエネルギー伝達効率を評価するという新規性の高いものであったと考える。研究成果は複数の国際専門誌に原著論文として発表、公表した。本研究プロジェクトにおいて開発した研究手法は、投球のみならず、各種スポーツ動作にも適用可能なものである。よって、本プロジェクトにおいて野球の投球動作の分析を進めた後には、バレーボールのスパイク動作の研究にも着手した。スポーツ動作の違いによるエネルギー伝達効率の違いについて考察し、これらも国際誌に原著論文として発表した。同様の手法を用い、各種スポーツ動作のエネルギー伝達効率の違いを継続的に研究している。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Human Movement Science
巻: 54 ページ: 363-376
Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part P: Journal of Sports Engineering and Technology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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