2017年度は平昌で冬季オリンピック・パラリンピック競技大会が開催された。同じ東アジア文化圏での開催なので、そこでどのようなマナー教育が行わているのかについての情報を収集した。主にはボランティアの育成の中で、笑顔で接すること、丁寧に案内することなどがマナー教育として行われていたが、そのほかには特にマナー教育に該当するものはなかった。 また、高校生対象のボランティア教育の中でも、おもてなしの心やマナー教育をプログラムの一つとして位置付け実施した。特別支援学校の生徒も参加したが、普通学校の高校生とのコミュニケーションが取りやすくするためには、お互いが相手を思いやるためのマナー教育が必要であることが確認された。 東京都やスポーツ庁によって推進されているオリンピッ ク・パラリンピック教育の中で、マナー教育について、どのような内容でどのように行われているのかを調査し、それらの成果についても検討した。マナー教育やおもてなし教育について、高校生は興味を抱いて臨んでおり、日本人としてのアイデンティティの形成に役立つものではないかと考えられる。 海外でのマナーやホスピタリティ教育と国内での教育プログラムを比較すると、日本のマナー教育は、相手への配慮を重んじていることが明らかになった。 また国際オリンピック委員会で推進しているオリンピズムの価値に関する教育プログラム(OVEP)の中で、マナー教育についてはほとんど取り上げられていない。そのようなことから、日本のオリンピック教育において、マナー教育が重視されていることが特徴の一つであることが明らかになった。
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