研究課題/領域番号 |
15K01598
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
三井 利仁 日本福祉大学, 全学教育センター, 准教授 (70564186)
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研究分担者 |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20433352) [辞退]
西村 行秀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20464117)
梅本 安則 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40453188) [辞退]
河崎 敬 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50453189) [辞退]
坂野 元彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70512127)
中村 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80299635) [辞退]
伊藤 倫之 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90305566) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 障害者スポーツ / スポーツ医科学 / 車椅子マラソン |
研究実績の概要 |
本研究は車椅子アスリートを対象として、理学的所見と画像診断等により肩関節スポーツ傷害発生の実態について調査した。更に練習内容と量を調査し、それぞれの選手のフォームを解析した。それらの結果を総合的に検証し、肩関節スポーツ傷害発生のメカニズムを考察した。具体的な方法として1,練習内容、2,練習量、3,車椅子駆動フォーム、4,理学的所見、5,画像所見(エコー及びMRI)、について調査した。対象者は、障害者陸上競技統括団体に所属している強化選手30名及び一般選手30名の合計60名を対象に行った。検診項目は問診(痛み(運動時痛・就寝時痛)の有無)、視診(発赤、腫脹)、触診(熱感、圧痛)、理学所見(可動域、機能診)、Bモードエコーとした。結果、Bモードエコー異常所見は右のみ6人、左のみ6人両側6人の合計18人の29.5%にみられた。痛み、圧痛、機能診異常とエコー所見では、痛み、圧痛、機能診異常があった。エコー所見がみられなかった例は、右22肩、左16肩、計38肩、エコーで異常があったが、痛み、圧痛、機能診異常がみれなかった例は、左大結節の不整1肩、右棘上筋非薄化、左上腕二頭筋長頭腱脱臼、2肩(1人)、長頭腱周囲低エコー、左大結節の不整計3肩であった。考察として、今回の検診を受けた選手の49.2%に肩痛を認めた。痛みの訴えや圧痛も右側の方が多かった。痛み、圧痛、機能診異常があるがエコー所見がみられなかった例は多かったが、その逆は稀であった。痛み、圧痛は、年齢、受傷からの期間、マラソン経験年数に関わらずみられた。エコー所見は、年齢が高く、受傷からの期間、マラソン経験年数が長いほど多くみられた。車いすマラソン競技者の肩痛は約半数にみられた。痛み、圧痛がスクリーニングに有用である。そのため積極的にスクリーニングを行い、形態的変化が生じてくる前に対処方法を検討していくことが必要と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では毎年度測定(理学的所見、画像診断)調査を実施する予定であった。平成27年度は天候不良により調査できなかったが、平成28年度は車椅子マラソンの競技団体、大会主催者側の協力を得て、また、参加選手の協力のもと車いすマラソンを行っている方々には右肩及び右肘に疼痛が発症していることが確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27,28年度は車椅子マラソンのみの測定であったが、平成29年度は国内競技者が増加している投てき競技(やり投げ)にも調査を広げ、車椅子使用者における座位投的動作時に肘肩にかかるストレス測定を行い、測定時の身体の左右差を測定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通りに使用することができた。未払いの旅費があったため未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年5月に最終の測定を計画しており、機器(キッセイコムテック社姿勢計測システム)の購入と旅費として使用する。
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