研究課題/領域番号 |
15K01609
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
竹内 亮 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (60636744)
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研究分担者 |
植木 章三 大阪体育大学, 教育学部, 教授 (00241802)
金山 千広 神戸女学院大学, 教養部, 教授 (10321150)
山崎 昌廣 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40128327)
岩岡 研典 金沢星稜大学, 人間科学部, 教授 (50223368)
田中 信行 日本体育大学, 体育学部, 教授 (90339490)
三木 由美子 鈴峯女子短期大学, その他部局等, 講師 (90726217)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アダプテッド・スポーツ / スポーツ外傷 / スポーツ障害 / 熱中症 / 特別支援学校 |
研究実績の概要 |
アダプテッド・スポーツを実施している障害者のスポーツ外傷・障害(熱中症を含む)の特徴を全国調査から明らかにし、これらを防ぐ方策を検討する。 平成27年度は、特別支援学校に対して、学校内における体育・スポーツ外傷・障害及び熱中症に関するアンケート調査を実施した。全国の特別支援学校1232校(分校を含む)に対して質問紙を郵送し、518校からの回収があった(回収率42%)。調査期間は、平成28年1月10日から3月10日とした。倫理的配慮として説明文を質問紙の冒頭に記載し、質問紙の回答及び返送をもって同意を得たものと判断した。なお、本研究は大阪体育大学研究倫理委員会による承認を得ている(承認番号:15-36)。 体育の実技、運動クラブや休み時間中の活動において、1年間に生じた外傷の延べ件数及び学校数は、擦り傷・切り傷29238件(383校)、打撲13446件(368校)、慢性の関節痛3243件(308校)、靭帯損傷130件(46校)、アキレス腱断裂0件、骨折203件(119校)、肉離れ74件(35校)、その他6356件(213校)だった。また、発生状況として授業中の発生が最も多く、次いで休み時間中での発生が多かった。一方、体育の実技、運動クラブや休み時間中の活動において生じた、熱中症の延べ件数及び学校数は、Ⅰ度(現場にて対処可能な病態)が191件(58校)、Ⅱ度(速やかに医療機関への受診が必要な病態)が11件(11校)、Ⅲ度(採血、医療者による判断により入院が必要な病態)が0件だった。また、発生場所として最も多かったのは屋外で、次いでエアコンのない屋内での発生が多かった。障がい別にみると、外傷及び熱中症ともに知的障がい者が最も発生が多かった。今回の結果から、特別支援学校におけるスポーツ外傷・障害及び熱中症に対する予防活動の進め方を考える上で、少なからず有用な知見が得られたと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度当初の調査対象は、特別支援学校だけでなく小・中・高等学校及び大学が含まれていた。しかしながら小・中・高等学校の通常学級や特別支援学級及び大学における障がい児・者の有無を把握することが困難であることが課題として挙がっていた。このような実情を踏まえ、分担研究者との協議のうえ調査対象校を特別支援学校とした。 質問紙内容について、5件程度の電話問い合わせがあったが、その都度対応を行うことにより支障なく回答していただけたと思われる。一方、調査に対する協力辞退の電話連絡が約10件あった。その理由のほとんどが、本務が多忙であること、学校への調査協力の依頼が他機関から多く寄せられているため、対応が困難であることであった。このように、様々な課題を抱えた状態ではあるが、42%の回収率を得ることができたことは、研究趣旨や必要性についてある程度理解を得ることができたひとつの表れといえる。
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今後の研究の推進方策 |
スポーツ外傷・障害及び熱中症に関する発生実態と、合わせて聴取した発生予防のための安全管理体制、意識、自由記載等を組み合わせて分析を行っていく。その結果から、スポーツ外傷・障害及び熱中症の発生予防に繋げる方策について検討する資料を得る。 今回得られた研究結果は、平成28年度中に行われる関連学会において報告する予定である。 平成28年度の研究計画は、障がい者スポーツ専用及び優先施設の利用者に対してスポーツ外傷・障害及び熱中症に関する質問紙調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の調査対象の縮小(特別支援学校に限定)に伴い、サンプル数の減少が生じた。その結果、打ち合わせ旅費及び調査に係る物品費等が圧縮されたため、次年度使用額が0円を上回った。
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次年度使用額の使用計画 |
障がい者スポーツ専用及び優先施設のうち、日頃の地域支援事業等でかかわりのない施設については、改めて各施設へ研究趣旨について説明を行うことが想定されるため、それに係る研究代表者及び分担研究者の打合せ出張旅費等に充てる。
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