研究課題
アダプテッド・スポーツを実施している障害者のスポーツ外傷・障害の特徴を全国調査から明らかにし、これらを防ぐ方策を検討する。平成29年度は、第17回全国障害者スポーツ大会に参加の選手団67団体(47都道府県、20政令市)に対して、スポーツ活動中の外傷および熱中症などの発生状況に関する質問紙調査を郵送法にて実施した。なお、各団体担当者に対し、事前に調査協力の可否及び質問紙の発送希望数を聴取し、42団体から協力可能の返答を得た。その後、質問紙は647部郵送し、合計370名からの回答があった(回収率57.2%)。対象者の特徴として、スポーツの実施頻度は週1回が最も多く、次いで週2回、週5回以上の順で多かった。実施期間は、2年以上が最も多く、次いで1年以上、1年未満の順で多かった。実施の目的(複数回答)は、全国規模や都道府県の競技会出場を回答した者が90%以上を占め、趣味や気晴らし等と回答した者も多かった。障害種別は、下肢切断が最も多く、次いで上肢切断、聴覚障害の順で多かった。発生した外傷件数は、1人当たり1回のみ165件、2回90件、3回47件だった。発生部位の延べ数は、胸骨・肋骨52件、肩・鎖骨37件、手指36件だった。疾病の延べ数は、筋肉痛・スパズム85件、肉離れ/筋断裂59件、筋・軟骨損傷44件の順で多かった。発生原因の延べ件数は、疲労134件、用器具等への接触42件、転倒37件の順で多かった。外傷の程度の延べ件数は、通院受診152件、受診なし(応急処置を含む)126件、入院16件の順で多かった。外傷発生時のスポーツ種目は、フライングディスク82件、陸上競技(競走競技)72件、水泳36件の順で多かった。発生した熱中症について、経験なし287件、Ⅰ度27件、Ⅱ度6件、Ⅲ度1件といった回答であった。熱中症の発生時期として、10月が最も多く、次いで8月、7月の順で多かった。
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