メタボリックシンドロームを発症する生後40週齢の雄ラットを、普通の環境 (1気圧、20.9%酸素) に滞在させる群 (5匹) と軽度高気圧酸素の環境 (1.25気圧、36%酸素) に1日3時間にわたって滞在させる群 (5匹) に分けて、8週間にわたって飼育した。対照群として、生後40週齢から8週間にわたって、普通の環境 (1気圧、20.9%酸素) で飼育するWistar系ラット (5匹) を設けた。 軽度高気圧酸素で飼育したメタボリックシンドロームを発症するラットは、普通の環境で飼育したメタボリックシンドロームのラットに対して、空腹時および常時血糖、HbA1c、総コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪が低い値を示し、アディポネクチンが高い値を示した。なお、普通飼育および軽度高気圧酸素の環境に滞在させたメタボリックシンドロームを発症するラットは、普通の環境で飼育したWistar系ラットに対して、空腹時および常時血糖、HbA1c、総コレステロール、中性脂肪が高い値を示し、アディポネクチンが低い値を示した。 軽度高気圧酸素の環境で飼育したメタボリックシンドロームを発症するラットは、普通の環境で飼育したメタボリックシンドロームのラットに対して、ヒラメ筋での酸化系酵素活性とPgc-1α mRAN 発現量が高い値を示した。しかしながら、これらの値は、普通の環境で飼育したWistar系ラットの値に近づくことはなかった。 軽度高気圧酸素は、高齢期のメタボリックシンドロームに対して軽減効果が認められるが、メタボリックシンドロームを完治するまでには至らなかった。
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