研究実績の概要 |
徐神経ラットヒラメ筋と足底筋の筋線維組成変化とリン酸化マップキナーゼの発現量変化について検討した。1週間の徐神経後、ヒラメ筋で57%、足底筋で51%の筋重量の低下がみられた。さらに、筋重量の顕著な減少にもかかわらず、足底筋では筋線維組成に有意な変化は認められず、タンパク質発現量に関しても、Hsp72, Hsp60, PGC-1, リン酸化マップキナーゼともに、変化は認められなかった。これに対しヒラメ筋では、遅筋線維の割合が減少し、遅筋+速筋(ハイブリッド)線維の割合が増加した。これは、ヒラメ筋の筋線維タイプ発現型が slow type から fast type へとシフトしていることを示唆するものである。Hsp72, Hsp60, PGC-1 タンパク質の発現量は有意に減少する一方で、リン酸化マップキナーゼの発現量は有意な増加が認められた。これらの結果は、リン酸化マップキナーゼが速筋タイプの筋線維の発現に関与することを示唆するものである。 本結果に関しては、2016年のEuropean College of Sports Science において発表した。
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