本研究は、分子量42/44 kDaのマップキナーゼERK1/2 の筋線維タイプ特異性について検討した。10週齢のラット骨格筋におけるリン酸化ERK1/2発現量は、腓腹筋表層部で最も高く、足底筋、腓腹筋深層部、ヒラメ筋の順で少なかった。この順序は各筋の速筋線維の割合と同じであった。また、ヒラメ筋の速筋線維の割合とリン酸化ERK1/2の発現量は生後3週齢で最も高く、発育から老化にかけて共に徐々に減少した。徐神経ヒラメ筋では速筋型の筋線維の割合とリン酸化ERK1/2の発現量が共に増加した。 以上の結果から、リン酸化ERK1/2の発現はラット骨格筋の速筋線維の発現と関連する可能性が示唆された。
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