ヒトを対象とした認知機能テストの成績や、ラット海馬における神経新生と認知機能や不安傾向との関係などを指標に、一過性あるいは継続的な運動の効果を検証した。事前に運動を実施することで、ドリル式加算課題の解答数増加、Trail Making Testの動作時間短縮、d2テストのコミッションエラー増加の抑制、および空間的記憶課題における回答反応時間の短縮効果が認められた。以上より、事前に行う中強度運動によって、空間情報処理が促進されることが強く示唆された。 動物実験については、現在のところ運動の有無による記憶能力や不安傾向および海馬の新生細胞数においても有意な差は認められていない。
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