• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

糖尿病によるマクロファージ炎症反応亢進機構と運動効果:ヘキソサミン代謝経路の役割

研究課題

研究課題/領域番号 15K01627
研究機関杏林大学

研究代表者

白土 健  杏林大学, 医学部, 助教 (60559384)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードマクロファージ / 糖尿病 / 高血糖 / 炎症 / ヘキソサミン代謝経路 / 糖鎖修飾
研究実績の概要

平成29年度は、リポ多糖(LPS)刺激によるマクロファージ(MΦ)の炎症性応答におけるO-結合型N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)の役割について検討し、以下の知見を得た。1)マウス腹腔滲出MΦ(PEMΦ)をO-GlcNAc転移酵素OGTの阻害剤BADGPで培養し、その活性およびO-GlcNAcレベルを低下させると、LPS刺激によるIL-6とTNF-αのmRNA発現誘導が有意に増強された。2)また、マウスMΦ細胞株RAW264.7にOGT siRNAを導入し、その発現およびO-GlcNAcレベルを低下させた上でLPS刺激したときも、IL-6とTNF-αのmRNA発現誘導が有意に増強された。3)このとき、刺激後1時間までに起こるIκBαの分解とp65のリン酸化には差が見られなかったが、刺激後3時間以降で起こるいずれの反応も、O-GlcNAcレベルの低下で有意に増強されていた。4)一方、PEMΦをO-GlcNAc分解酵素OGAの阻害剤PUGNAcで培養し、その活性およびO-GlcNAcレベルを増加させても、LPS刺激によるIL-6とTNF-αのmRNA発現誘導は影響を受けなかった。5)さらに、PEMΦを高グルコース培養してO-GlcNAcレベルを増加させたときも、LPS刺激によるIL-6とTNF-αのmRNA発現誘導には影響がなかった。以上の結果から、1)MΦのO-GlcNAcは、LPS受容体TLR4下流のシグナル伝達に対して抑制的に働いていること、2)O-GlcNAcは、このうちの早期シグナルではなく後期シグナルを担う情報伝達タンパク質に対して抑制作用をもつこと、3)MΦのO-GlcNAcは基礎レベルが高く、正常血糖レベルでもLPS刺激による炎症性応答に対して抑制効果をもち、逆に高血糖による影響は受けにくいことが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] インスリンによるマクロファージの脂質生合成促進作用と習慣的運動の効果2018

    • 著者名/発表者名
      白土 健,櫻井拓也,小笠原準悦,今泉和彦,大野秀樹,木崎節子
    • 学会等名
      第88回日本衛生学会学術総会(東京)
  • [学会発表] ETASは紫外線による正常ヒト皮膚線維芽細胞のNF-κB核内移行を抑制する2018

    • 著者名/発表者名
      白土 健,小宇田智子,高成 準,三栖茉奈美,櫻井拓也,小笠原準悦,今泉和彦,大野秀樹,木崎節子
    • 学会等名
      第88回日本衛生学会学術総会(東京)
  • [学会発表] インスリンによるマクロファージ泡沫化亢進のメカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      白土 健,櫻井拓也,小笠原準悦,今泉和彦,大野秀樹,木崎節子
    • 学会等名
      第90回日本生化学会大会(神戸市)
  • [学会発表] マクロファージの泡沫化に対するインスリンの影響と習慣的運動の効果2017

    • 著者名/発表者名
      白土 健,櫻井拓也,木本紀代子,大野秀樹,木崎節子
    • 学会等名
      第46回杏林医学会総会(三鷹市)
  • [学会発表] O-linked N-acetylglucosamine but not high glucose suppresses lipopolysaccharide-stimulated macrophage inflammatory responses2017

    • 著者名/発表者名
      Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Imaizumi K, Ohno H, Kizaki T
    • 学会等名
      RIKEN International Symposium “Systems Glycobiology and Beyond―Toward a bridge between fundamental research and applied science―” (Wako, Japan)
    • 国際学会
  • [学会発表] マクロファージのインスリン感受性に及ぼす自発性運動の効果とその生理的意義2017

    • 著者名/発表者名
      白土 健,櫻井拓也,小笠原準悦,今泉和彦,大野秀樹,木崎節子
    • 学会等名
      第72回日本体力医学会大会(松山市)
  • [学会発表] Enzyme-treated asparagus extract has suppressive effect on ultraviolet-B radiation-induced NF-κB nuclear translocation in normal human dermal fibroblasts2017

    • 著者名/発表者名
      Shirato K, Takanari J, Misu M, Koda T, Sakurai T, Ogasawara J, Ishibashi Y, Imaizumi K, Ohno H, Kizaki T
    • 学会等名
      The 25th International Congress on Nutrition and Integrative Medicine (ICNIM2017) (Sapporo, Jpan)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi