研究課題
本研究では糖尿病教育後の血糖コントロールに影響を及ぼす臨床背景について、心理行動医学的領域を含め詳細に検討し、より効果的な個別糖尿病教育プログラムを構築することを目的としている。糖尿病教育目的に当科に入院となった2型糖尿病症例を対象として、2週間の糖尿病教育プログラムを施行し、入院中に性格・心理査定を含めた各種臨床背景の調査を行う。プログラム終了後より3、6、9、12ヶ月後の血糖値、HbA1c、体重等の推移を追跡し、教育後の治療効果に影響を及ぼす因子につき検討する。さらに当講座に通院中の2型糖尿病症例及び一般検診受診者を対象として臨床背景と心理学的な評価を行う。これらの結果をふまえ、より効果的な糖尿病教育プログラムを提案する。当該年度は糖尿病教育入院症例120名を対象として、病歴・社会背景・食事調査・糖尿病合併症・認知機能・心理検査(NEO-FFI、RSES、BSCP、FACES-III、MSPSS、CES-D)の調査を行なった。現在は退院後の血糖コントロールの推移について観察中である。また、外来通院中の2型糖尿病症例611名及び一般検診受診者1100名を対象として、生活状況(飲酒・喫煙・運動習慣・睡眠状況)、日常生活動作(SF36)、心理検査(CES-D・TIPI-J・RSES・BSCP)、血糖コントロール状況の調査を行なった。こちらは現在、データ集計中となっている。
3: やや遅れている
入院症例に対しては、目標症例数に到達できておらず、現在も症例を集積中である。外来症例及び一般検診受診者に対する調査はすでに終了しているが、欠落データの補充とデータ入力に時間を要している。
入院症例を対象とした調査は、今後も症例の蓄積を継続するが、平成29年度が最終年度に該当するため、現時点でのデータを持って統計学的な検討にかかる予定である。また、外来症例及び一般検診受診者を対象とした調査については、データ入力が終了次第、統計学的な解析にとりかかる。
1711名(糖尿病症例611名、一般検診受診者1100名)に対し、アンケート及び心理検査を施行したが、その入力作業が平成28年度内に終了できなかったため。
前年度に収集したデータの入力作業及びデータ解析に必要な人件費として使用する予定である。また、資料収集並びに成果を発表するため、米国糖尿病学会への参加を予定しており、旅費としての支出も計画している。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
PLoS One.
巻: 12 ページ: e0175204
10.1371/journal.pone.0175204. eCollection 2017.
巻: 11 ページ: e0166077
10.1371/journal.pone.0166077. eCollection 2016.
J Atheroscler Thromb.
巻: 23 ページ: 1276-1285