大学生の自殺予防を目的とするメンタルヘルスリテラシー教育手法の開発

2018 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 15K01646
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用健康科学
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 太刀川 弘和 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10344889)
• 研究協力者: 高橋 あすみ
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 自殺予防 / 大学生 / メンタルヘルスリテラシー / eラーニング

研究成果の概要

近年各大学で自殺予防対策が始まっている。しかしこれまでに、大学生向けの標準化された自殺予防教育手法は開発されていない。そこで本研究では、欧米の自殺予防プログラムを参照して講義形式とeラーニング形式の二つの自殺予防のメンタルヘルス・リテラシー教材を開発し、有用性を検証した。
講義と演習からなる自殺予防教育プログラムCAMPUSは、医学部生に実施した。実施後に自殺予防の理解度は向上し、3か月後に自殺念慮も低下した。E-learningの危機介入リテラシープログラムは、実施後のウェブ調査で被験者の知識が向上し、抑うつ気分も低下した。二つの自殺予防教育プログラムは、大学生の自殺予防に有効と思われた。

自由記述の分野

臨床精神医学

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来大学生の自殺予防対策でエビデンスのある報告は少なく、とりわけ大学生むけに自殺予防に特化した教育プログラムを作成し、その効果を自殺念慮の低減も含めて検討した研究は類例がほとんどない。本研究では海外の自殺予防プログラムの翻訳導入には至らなかったが、講義形式、eラーニング形式の二つの自殺予防教育教材を独自に開発し、大学生に実施して教育効果、自殺予防効果を確認でき、研究目的を概ね達成した。今後二つのプログラムを医学部以外の学生や複数大学の大学生を対象に実施し、有効性を検証しつつ、普及を図っていく必要があると考える。