110番通報の正確性と迅速性を高くするために、警察官と市民に共通基盤を形成することの効果を検討した。(1)通報要領の事前学習、(2)通報経験で共通基盤の有無を操作し、通報の成否に差があるかを検討した。その結果、通報要領の事前学習だけでなく、通報経験を行うことが有効であることが示唆された。実験状況を現実場面に更に近づけるため、事件発生状況に関する4つの動画(3D-CG)を作成するとともに、現役の通信司令官にインタビュー調査を行い、手続きの改良を重ねた。また、通報経験を安全教育として実施する方法も検討した。最後に、市民を対象としたWeb調査も行い、本研究の知見の一般化可能性を検討した。
|