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2016 年度 実施状況報告書

国内外における学校感染症の集団感染事例分析に基づく感染症予防教育プラグラムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K01656
研究機関香川大学

研究代表者

鎌野 寛  香川大学, 保健管理センター, 教授 (60284337)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード学校感染症
研究実績の概要

思春期・成人百日咳集団感染事例のシミュレーションを行った。まず,実際の集団感染事例における感染治癒者数について非線形回帰分析を用いてゴンペルツ関数,および,ロジスティック関数に当てはめた。そして,どちらの関数が感染治癒者数を適切にシミュレートしているか確認するためにAICを算出し解析を行った。その結果,解析を行った事例ではゴンペルツ関数がより良くシミュレートしていることが判明した。次に,SIR法を用いて集団感染事例のシミュレーションを行った。t日目の感受性者数を S(t),感染者数をI(t),感染治癒者数をR(t),感染率をβ,治癒率をγとした。これらの関数とパラメータを用いて,dS(t)/dt=-βS(t)I(t),dI(t)/d(t)=βS(t)I(t)-γI(t),dR(t)=γI(t)の微分方程式にてシミュレートした。そして,解析を行った事例の感染治癒者数と基本再生産数の関係式を用い算出した基本再生産数と,SIR法を使って算出した基本再生産数とを比較した。すると,両者とも約1.14-1.16の間に収束した。さらに,実際の感染治癒者数,ゴンペルツ関数の感染治癒曲線,及び,SIR法でシミュレートした感染治癒曲線R(t)を比較した。するとゴンペルツ関数を用いた感染治癒曲線は実際の感染治癒者数と非常に近いものが出来上がった。ところが,SIR法の感染治癒曲線R(t)の到達点はゴンペルツ曲線および実際の感染治癒者数に近いが,感染治癒曲線R(t)の勾配を実際の感染治癒者数に比較すると,感染初期には感染治癒曲線R(t)が実際の感染治癒者数より急な立ちあがりを示し,感染後期には感染治癒曲線R(t)は実際の感染治癒者数よりなだらかな傾きを示し解離が観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ゴンペルツ関数を用いたシミュレーション曲線は実際の感染治癒者数と非常に近いものが出来上がった。これをもう少し詳細に検討したいと考えている。SIR法を用いたシミュレーション曲線の到達点はゴンペルツ曲線および実際の感染治癒者数に近いが,SIR法によるシミュレーション曲線の勾配を実際の感染治癒者数に比較すると,感染初期はSIR法によるシミュレーション曲線が実際の感染治癒者数より急な立ちあがりを示し,感染後期にはSIR法によるシミュレーション曲線は実際の感染治癒者数よりなだらかな傾きを示し解離が観察された。この点も検討したいと考えている。

今後の研究の推進方策

ゴンペルツ関数を用いたシミュレーションをより詳細に検討したいと考えている。そして,実際の感染治癒者数とSIR法によるシミュレーション曲線の解離についても検討したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

ゴンペルツ関数を用いたシミュレーションのより詳細な検討をするために使用する予定であったが,他に検討課題が現れたため。

次年度使用額の使用計画

引き続きシミュレーションモデルの分析を行い,成果を発表するために使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 大学における百日咳集団感染の非線形回帰分析2017

    • 著者名/発表者名
      鎌野 寛,永尾 幸,高田 純,野崎篤子,泉 慈子,溝口有希子,坂東千秋
    • 雑誌名

      香川大学保健管理センター紀要

      巻: 4 ページ: 125-130

  • [学会発表] Comparative analysis of adolescent-adult pertussis outbreaks in schools using mathematical models2016

    • 著者名/発表者名
      Kamano H, Nagao S
    • 学会等名
      Federation of Infection Societies Annual Conference and the 10th Healthcare Infection Society International Conference 2016
    • 発表場所
      Edinburgh, United Kingdom
    • 年月日
      2016-11-07 – 2016-11-07
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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