現在社会において、ストレスは様々な疾患の病態に関係している。とくに慢性社会的ストレスが原因となって生じる適応障害、うつ病、慢性疲労症候群などの精神疾病は、社会問題化している。社会的心理ストレスモデルを用いて、臨床において心身医学領域で用いられている半夏厚朴湯の攻撃行動および社会的行動に対する作用について検討した。 半夏厚朴湯はストレスによって誘発される攻撃行動および社会的行動を用量依存的に改善した。この作用は中枢作用のみならず、ストレスによる全身症状に対しても効果を出す可能性が示唆された。また実験結果からセロトニン系を介して作用発現する作用機序が示唆された。
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