研究課題/領域番号 |
15K01665
|
研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
助友 裕子 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (50459020)
|
研究分担者 |
片山 佳代子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 研究員 (70584374)
大浦 麻絵 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40404595)
齊藤 恭平 東洋大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40279443)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ヘルスプロモーション / Learning Partner Model / 参加型アクションリサーチ / がん / 普及啓発 |
研究実績の概要 |
国民の2人に1人が一生涯のうちにがんに罹患することから、がん対策は喫緊の課題である。がん対策の推進には、科学的根拠のある情報が整備されるとともに、国民ががんに目を向ける文化を育む必要がある。そこで本研究では、地域の文化に配慮した健康施策の普及を行っている自治体主催の市民向け講座において、受講者および受講者でない家族や友人(非受講者)にもがん対策情報が伝達される仕組みとしてのLearning Partner Modelに基づくプログラムを開発することを目的とした。 平成27年度は、プログラム内容の検討と環境基盤整備を中心に行った。まず、モデル地域となる自治体それぞれにおいて、市民向け講座担当者、研究者などによる打合せを行い、科学的根拠に基づいたがん対策情報を地域住民に普及させるための方策を検討しながら、プログラムを作成した。次に、市民向け講座担当者である自治体職員にとって、担当事業に関する評価を第三者から得て自地域の活動にフィードバックすることは重要であることから、当該事業の実施がより有用なものとなるよう、プログラムの作成状況を相互に情報交換する場を設けた。具体的には、日本公衆衛生学会への参加に加えクローズドの会合を設け、研究者ならびに協力自治体担当者との情報交換を行った。 これに基づき、平成28年度にはプログラムの介入を行うため、次年度事業計画に当該研究活動を組み込んでもらえるよう検討を重ねた。 当該プログラムの実施により非受講者のがん対策情報に関する認知度・態度に変化が認められれば、地域住民に対する実践的ながん対策情報普及方法の基礎を提供することになると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、国内3自治体をモデル地域として設定し、LPM(Learning Partner Model)による介入プログラムを作成することを主眼に置いている。この過程でワークショップを行い3自治体間の情報共有を図りながら研究の基盤整備を行うという参加型アクションリサーチの手法を導入している点に最大の特徴がある。そのような点において、平成27年度は、3自治体各々の担当者とのきめ細かい打合せ、各自治体の市民向け講座の実施状況について綿密な調査を行うことができたため、研究実施のための基盤は整ったと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
国内3自治体をモデル地域として設定し、LPM(Learning Partner Model)による介入プログラムを作成する。この過程でワークショップを行い3自治体間の情報共有を図りながら研究の基盤整備を行う。介入前後および3か月後に受講生およびその家族または友人(各200 名)を対象とした質問紙調査を実施し情報普及度を評価する。平成27年度は、各自治体の行政担当者とプログラムを作成した。これに基づき平成28年度は、プログラムの実施、プロセス評価を随時行いながら、前後調査および3 か月後のフォローアップ調査を行い、がん対策情報知識および態度の変化を検討する。平成29年度は、分析結果を通じてLPM によるプログラムを完成させるとともに、モデル地域および国内の自治体職員を対象とした研修会を行い、今後の実用化を図る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に協力自治体と介入プログラムを検討するための情報交換会を開催し、すべての研究メンバーが参加する予定であったが、うち一名の研究者が公務との調整がつかず、欠席となり、当該研究者のみ事前事後のメール会議への参加をもって検討することとした。そのため、分担金は主として旅費の計上へ支出する予定であったが、未使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
このため、当該会議のフィードバックを兼ねた研究者のみの打合せ会議を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
|