研究課題/領域番号 |
15K01667
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (90291757)
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研究分担者 |
鈴木 貴士 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (60440484)
川尻 達也 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (80626292)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヘルスプロモーション / メンタルヘルス / レジリエンス / 大学不適応症状 |
研究実績の概要 |
学生生活における問題は様々であるが、学生の精神的健康度の問題に対するアプローチとして、近年「レジリエンス」という概念が注目されている。本研究では、このレジリエンスと学生生活の問題(不適応・不登校傾向)の関係について、横断的および縦断的資料に基づく分析し、学生指導におけるレジリエンスの利用可能性を検討した。 研究期間の5年間に渡り、同一学生に年2回の調査(日常生活習慣、精神的健康度、ストレス対処行動特性、大学生活におけるメンタルヘルス、大学不適応症状、不登校傾向、レジリエンスに関する調査)を実施し、横断的および縦断的な資料を収集した。 大学不適応症状を有する学生の特徴や、大学不適応症状と不登校傾向との関係、大学不適応症状を有する学生のメンタルヘルスとレジリエンスとの関係などについて検討した。 分析の結果、大学への不本意感が春から冬にかけて生じた学生は、受験の失敗に対する思いが再燃し、理想の大学像とのギャップや授業内容・カリキュラムに対する不満が高まり、同様に学業へのつまずき感が春から冬にかけて生じた学生は、課題遂行の困難さや学業への不向きさを自覚しながら、単位取得・留年・卒業への不安が高まる傾向にあること、学業へのつまずき感が生じた群では基本的日常生活習慣や人とのコミュニケーションが悪化すること、不登校傾向を有する学生は、学業へのつまずき感や大学への不本意感、人間関係、学生生活の楽しさに問題を抱える傾向が強いこと、入学以降、積極的な取り組みのないまま初年次を終える学生やアルバイトのみを積極的に取り組む学生の学生生活の充実度が乏しいこと、大学不適応症状を有する学生のストレス度、疲労度、うつ度、大学への充実感の乏しさ、ネガティブ対処行動、インターネット依存度は、レジリエンスが低い者ほど高く、レジリエンスが高い者ほど友人との会話頻度やポジティブ対処行動は高いことなどを明らかにした。
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