これまで科学研究補助金を受けて展開してきた研究において得られた知見を中核に、Society for Epidemiologic Research the 52nd Annual Meeting(2019年6月)において、研究成果2題(Screening test for assessment of health state at risk in susceptibility phase among university students / Attempt to modernize epidemiological concept of health status in health promotion practice)を学術発表し、国際的な議論を展開し研究成果を世に問うた。特に、半健康様相とスクリーニングテストとの関係性に関する議論から、コミュニティベースのスクリーニングにおける最重要要件である偽陽性の該当率の多寡に焦点を当てた問題提起を行った。このような議論を通して、世界における最新のヘルスプロモーション関連の理論・実践に関する情報を収集・整理した。さらに、本研究課題の根幹的理論仮説に関わる予防医学的側面から捉えた第一次予防の細分化に関する理論的根拠と枠組み構築に資する知見も得られた。そして、中国大都市部における青少年層の「小皇帝」的位置づけから表出する意識・行動形成が、日本の青少年層における近未来的様相と近似できることを踏まえて、北京市での研究展開の基盤条件を整備にした。近未来の半健康様相変容予測モデル構築・実証的検証については、新規研究課題として研究展開を図る。本研究課題で吟味できた半健康の多次元空間構造上の状態的評価を踏まえ、コホート研究成果として半健康様相の時系列変動・変動規定要因等を分析し、健康管理システムにおける半健康評価について学校保健的視点から整理した。
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