研究課題
(1)国民健康・栄養調査研究各地域における身体活動量と各地域の身体活動量に関連があると推測される社会・自然環境要因の関係を都道府県別に比較した。身体活動量の指標として、国民健康・栄養調査における都道府県別の歩数を使用した。社会環境データは、総務省統計局のデータから都道府県別の第3次産業就業者比率・都市公園数・自家用乗用車数等を、自然環境データは、年平均気温・年間降水日数・年間降雪日数を用いた。ロジスティック回帰モデルを使用し、歩数(二値)を従属変数、各環境要因を独立変数としてモデルに投入した。BMI、喫煙率、野菜摂取量、食塩摂取量を調整したオッズ比は、第3次産業就業者比率:1.19、都市公園数:1.02、第1次産業就業者比率:0.68、実労働時間数:0.74、社会体育施設数:0.99、自家用乗用車数:0.99・年平均気温:1.67、年間降水日数:0.97、年間雪日数:0.97であった。本研究結果は第19回日本運動疫学会において発表した。(2)労働者コホート研究勤務形態と過去7年間における全身持久力レベルの関係を1986年時点における職域健康診断のデータ用いて調査した。解析対象者は7,169人の男性労働者であった。健康診断時に把握したデスクワークの有無で解析対象者を2群に分類した。さらに、対象者の過去7年間における全身持久力測定の結果を用いて7年間のAUC (area under the cure) を算出した。AUCで研究参加者を四分位に分類し、それぞれの分位における非デスクワーク勤務者の割合を算出した。第1四分位から第4四分位までのそれぞれの割合は28.9%、29.0%、28.6%、27.2%であった。AUCが最も広い第4四分位群において非デスクワーク勤務者の割合が低い傾向にあったが、過去7年間における全身持久力レベルとデスクワーク勤務の間に明確な関係は認められなかった。本研究結果は第63回アメリカスポーツ医学会で発表した。
2: おおむね順調に進展している
昨年に引き続き、国民健康・栄養調査研究と労働者コホート研究を実施し、それぞれの成果を学会において発表することができた。
2017年度は本研究の最終年度であり、これまでの研究成果を踏まえて空間可視化したインパクトのある地図を作成して研究所(医薬基盤・健康・栄養研究所)のホームページ上に公開する。
謝金支払いが当初の予定より少なくて済んだため。
謝金支払いが予定よりオーバーした場合に使用する。
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