研究課題
本研究は、夜間勤務の疲労を早期発見するために、疲労の程度を客観的に、かつ簡便に評価し、食生活状況および微量元素栄養との関連を明らかにすることを目的とする。期間中に、夜間疲労評価を病院にて実施するのに先立ち、夜間疲労の評価方法を検討するために大学での疲労評価調査を行った。最終年度(2018年度)は、実際に病院での疲労調査を実施した。大学での夜間疲労評価調査として、慢性疾患の無い健康な男子を被験者としてデスクワークによる疲労負荷過程(16時-4時)において客観的疲労指標、主観的疲労指標評価を行い、フリッカー値、VASおよび「自覚症しらべ」にて疲労度を簡便に評価可能であることが確認できた。血漿中微量元素については、Znは時間経過による変動が見られ、生物学的指標になる可能性が考えられた。病院での疲労調査は、療養病床を持つ病院および介護老人保健施設の看護職員(23名)および介護職員(23名)を対象に、夜間勤務(2交代夜勤)において実施した。夜間勤務回数、睡眠、食生活状況などに関する基本調査も自記式アンケートにより行った。疲労評価は、夜間勤務前(15時-16時)、夜間勤務時(午前2時-4時)、夜間勤務終了後(朝9時半頃)の計3回、客観的疲労評価(フリッカー値(FHM社製)、唾液アミラーゼ)および、主観的疲労評価(疲労感検査(VAS)、「自覚症しらべ」)を質問票により実施した。調査の結果、客観的疲労評価としてフリッカー値は、夜間勤務に伴い低下し、夜間勤務終了後に最も低い値を示しており、夜間勤務による疲労度の増加を、恣意性を排除して検出できたと考えられた。主観的疲労評価(VAS、「自覚症しらべ」)も、時間経過に伴い疲労感の増加を示していた。睡眠、職種・病棟の違い、食生活状況、および、血中微量元素濃度による疲労度との関連について、今後更なる調査・解析が必要と考えられる。
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BJR
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1259/bjr.20190062. [Epub ahead of print]
Invest Radiol
巻: 53 ページ: 110-118
10.1097/RLI.0000000000000417.