研究課題/領域番号 |
15K01681
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
笠巻 純一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00456344)
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研究分担者 |
西田 順一 群馬大学, 教育学部, 准教授 (20389373)
松本 裕史 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 准教授 (20413445)
笠原 賀子 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (90194711)
宮西 邦夫 新潟県立大学, その他, 名誉教授 (70018836)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大学生 / 栄養摂取状況 / 関連要因 / 性差 / 関連性 / 居住形態 / 食行動 / 調理技術 |
研究実績の概要 |
本研究では、大学生の健康行動の変容に及ぼす環境要因の影響を解明することを目的に、3カ年に渡る縦断調査を実施している。2年次(平成28年度)においては、5府県の学生を対象に第1回目の調査を実施し(有効回答:1,256人)、ロジスティック回帰分析を用いて、栄養摂取状況に関連する要因を検討した。 男女合計で分析した結果、オッズ比の高い順に「居住形態」、「朝食欠食」、「インスタント食品摂取」、「外食摂取」、「食行動変容ステージ」、「調理技術」の6変数に有意な正の回帰係数が認められた。①一人暮らしではない、②朝食の欠食が少ない、③インスタント食品の摂取頻度が低い、④外食が少ない、⑤食行動変容ステージが高い、⑥調理技術に関する自己評価が高いほど、栄養摂取状況の高得点群に属す確率が高くなることが示された。一方、有意な負の回帰係数が認められた変数は、「BMI」のみであった。「BMI」が低いほど、栄養摂取状況の高得点群に属す確率が高くなることが示された。 男女別で分析を行った結果、有意差が認められた変数は、「居住形態」、「朝食欠食」(男女共通)、「調理技術」(男子のみ)、「インスタント食品摂取」、「外食摂取」、「食行動変容ステージ」、「BMI」(女子のみ)であった。性別に関わらず栄養摂取状況に関連する2要因が示された一方で、男、女固有の関連要因(男1要因、女4要因)が示唆された。女子は男子に比べて、栄養摂取状況に影響する要因が多様であることが推察された。 本研究の結果は、学生の栄養摂取状況関連要因の関連性の強さ及び性差を示すものであり、栄養摂取に影響する要因を検討する上での重要な情報となり得る。学生の栄養摂取状況に影響する要因が解明されれば、近年、憂慮されている学生の食行動を改善するための健康支援策への応用が可能であり、生活習慣病の一次予防に寄与できるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」及び「研究実施計画」に沿って、順調に研究が進んでいる。調査の実施、解析、研究成果の公表予定、3年次(平成29年度)における調査予定等についても計画どおりである。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実施計画」に沿って、3年次に予定されている第2回目のアンケート調査を実施する。3年次以降も研究分担者及び研究協力者と連携しながら、調査、解析を行う。 2年次に実施した調査結果を第64回日本栄養改善学会学術総会にて公表し、参加者との意見交換を通して、研究の発展につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、当初、参加を予定していた学会の一部に参加できなかったことで、旅費の支出額が少なくなったことが挙げられる。体調不良のため、予定していた学会への参加を見送ったが、その後、研究分担者からの情報提供及び図書・雑誌からの情報収集等によって研究遂行に必要な情報を十分に得ることができたため、他の学会への参加を改めて計画する必要がなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画としては、次年度使用額と今年度の請求額を合せ、学会や研究者間の協議会旅費や健康栄養学、保健学関連の学会参加費として使用することを計画している。
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