研究課題
青少年におけるスマートフォン(以下スマホ)依存は、わが国において非常に重要な問題になっているが、それを評価する信頼性及び妥当性のある尺度はほとんど開発されていない。そこで、大学生のためのスマホ依存スケールを開発する目的で、149名の大学生を対象に自記式質問紙調査を実施した。インターネット依存、携帯電話依存及びスマホ依存に関する先行研究に基づき質問項目を作成し、探索的因子分析により、スマホ依存スケール(Japanese version of Smartphone Dependence Scale:略してJ-SDS)を開発した。因子分析により抽出された因子は、(1)渇望と離脱症状、(2)過剰使用と耐性、(3)ヴァーチャルな生活の優先、(4)授業への集中困難、及び(5)身体症状だった。スマホ依存は睡眠の問題や抑うつと関連している可能性があるので、大学生におけるスマホ中毒、睡眠の質及びクロノタイプと抑うつとの関係を明らかにすることを目的とする調査を行った。119名の医療系大学生を対象に、J-SDS、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、朝型夜型質問紙(MEQ)、ベック抑うつ質問票(BDI-II)などを含む、自記式質問紙調査を実施した。まずBDI得点とそれ以外の変数との関係を単変量解析で分析した。次に、単変量解析でBDI得点と有意な関連があった変数及びそれとのB係数の有意水準が0.2未満の変数を独立変数、BDI-II得点を従属変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った。その結果、J-SDS得点及びPSQI得点がBDI-II得点と有意な正の関係があった。この結果より、大学生において、スマホ中毒の程度が高いほど、また、睡眠の質が悪いほど抑うつ状態になりやすいことが示唆された。このことより、大学生のメンタルヘルスの向上のためには、スマホの使用状況も考慮することが重要であると思われる。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 5件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 15件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 8件) 図書 (1件)
International Medical Journal
巻: 26 ページ: 43-45
巻: 26 ページ: 101-105
Hong Kong Journal of Occupational Therapy
巻: - ページ: -
https://doi.org/10.1177/1569186118823872
Int Med J
巻: 26 ページ: 28-29
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
J St Mar Med Uns
巻: 19 ページ: 25-28
J St Mar Med Ins
巻: 19 ページ: 29-31
巻: 19 ページ: 32-35
巻: 19 ページ: 36-39
Asia pac J Public Health
Open J Prev Med
巻: 8 ページ: 266-281
巻: 8 ページ: 301-314
日本認知症予防学会誌
巻: 8 ページ: 21-28
Frontiers in Neuroscience
巻: 12 ページ: 483
10.3389/fnins.2018.00483
Sci Healthcare
巻: 6 ページ: 163-168